長澤まさみ「初めての経験」 闇堕ちする難役演じた心境明かす

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女優の長澤まさみが4日、都内で行われた主演映画『MOTHER マザー』公開記念リモート舞台あいさつに阿部サダヲ、奥平大兼、大森立嗣監督と共に登壇。社会の闇へ堕ちていくシングルマザーという難役を演じた長澤。劇場公開をもってこの役と別れることに対し、「ここまで後ろ髪ひかれる感覚になるのは初めての経験だった」と明かした。
【写真】リモート舞台あいさつで美しい姿を見せた長澤まさみ
本作は、実話をベースに、親子のあり方を問いかけるヒューマンドラマ。社会から孤立していく中で築かれる母と息子のゆがんだ絆が、1つの殺害事件を引き起こす過程を描く。
長澤は、全国5都市・15劇場と中継した本イベントに関して「普段は1ヵ所でしか舞台あいさつをやらないので逆に新鮮。たくさんの方々とつながっている気がする」と感想をコメント。中継でつながる観客に、手を振って応えていた。
劇中では、シングルマザーの三隅秋子を熱演。「共感しようと思っても、最後までできなかった。分からないことっていうのもあるんだなと知った作品、役でした。昨日も、映画初日を迎えて、自分自身も嫌な思いで、悶々(もんもん)と過ごした。この映画が旅立っていくうれしさと、開放されるうれしさみたいなものがあった。でもこれを手離していいのか。ここまで後ろ髪ひかれる感覚になるのは初めての経験だった」と複雑な思いを吐露。とはいえ「それだけこの作品、この役と向き合えたのかなと思うと、ムダな時間ではなかったのかな」とほほ笑んだ。
秋子の息子・周平(少年期)を演じた奥平は、本作でスクリーンデビュー。「自分にとって待ちに待った公開。最近テンションも上がり気味」と心境を吐露した。
直近に、話題の映画『キングダム』(19)に出演するなど、知名度バツグンである長澤の息子役を演じるにあたって「実感なかったです。(長澤との共演の)1回目はめちゃくちゃ緊張しちゃった。2回目は慣れようと思ってました」と照れ笑い。
また長澤にビンタされるシーンを振り返って「(本当に)されるのを知らなかった。『(ビンタするフリをして、演出で)音入れるのかな』と思ったけど、スゴい思いっきり叩かれた。ビックリしました」と告白。ビンタの痛みがトリガーになり、役柄の感情も入って「泣いちゃいました」と述べた。
秋子の内縁の夫になるホスト・川田遼に扮した阿部は、奥平ら共演者に「嫌な思いをさせたい、不快な気持ちになってほしいと思って演じていた」と撮影を述懐。「エキストラもビビらせてないといけないなと思ってた。(阿部の人柄は)『優しい人なんでしょ』と感じがしたんですよ。『なめられてるな』と感じたので『一発行かない』と、と思って初日はがんばりました」と笑っていた。
イベント終盤には本作に出演した子役の郡司翔、浅田芭路がゲストとして登場。長澤らにカーネーションの花束を渡し、本作の公開を祝った。