『赤い闇』、8月公開の共産圏映画『ジョーンの秘密』『死霊魂』との共通点に迫る

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スターリン体制下のソ連に命がけで立ち向かった英国人ジャーナリストの実話を描く映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』より、本作と同じ共産圏映画で、8月に公開される『ジョーンの秘密』『死霊魂』との共通点を紹介。新たな場面写真も解禁された。
【写真】映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』場面写真
秘密主義の独裁国家“ソビエト連邦”に潜入した実在のイギリス人ジャーナリスト、ガレス・ジョーンズが、その“偽りの繁栄”を暴こうと命をかけて闘う様を描く本作。ポーランド出身のアグニェシュカ・ホランド監督がメガホンを取り、ジェームズ・ノートンがガレス・ジョーンズを演じる。
世界恐慌の中、なぜソ連だけが繁栄しているのか疑問を持ったジョーンズは、肥沃な大地だと言われていたウクライナに潜入。そこは凍てついた地で、スターリン政権に食糧を搾取された人々が餓えに苦しむ姿を目の当たりにする。ジョーンズはウクライナの実態を告発するため各所に呼びかけるも、信憑性がないとされ取り扱ってもらえない。その理由は、スターリンの徹底した国外への情報流出管理と、ナチスドイツが台頭する中、ソ連に寄り添うイギリスの時代背景によるものだった…。
8月は本作のほかに、共産圏を題材とした映画『ジョーンの秘密』『死霊魂』が公開される。イギリス映画『ジョーンの秘密』(8月7日公開)は、ソ連崩壊まで実在したKGBのスパイだったイギリス人物理学者を描く物語。第二次世界大戦中の1941年、ドイツがソ連に侵攻したことで独ソ不可侵条約が崩れ、イギリスとソ連は同盟国に。混乱の時代の中、イギリスのインテリと呼ばれている人々にソ連がいかに人気であったか、『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』と共通した時代背景が伝わる作品となっている。
『死霊魂』(公開中)は、毛沢東が率いた中華人民共和国を題材にしたドキュメンタリー。ワン・ビン監督が、文化大革命前の中国史の闇といわれる「反右派闘争」に迫った、8時間を超える大作だ。反乱分子、反革命分子と見なされた人たちが大量に収容所に送られる中、大飢饉にも襲われる。人が極限状態に陥るとどうなってしまうのか、『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』で描かれたホロドモール(ウクライナ飢饉)と重なるような衝撃のエピソードが生き残った人々によって明かされていく。
映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』は8月14日より全国公開。