『銀魂 THE FINAL』新規カットと共に振り返る ジャンプ史上最低のヒーロー・銀さんの魅力

シリーズ累計発行部数5500万部を超える空知英秋の『銀魂』。そのアニメシリーズ完結作『銀魂 THE FINAL』が1月8日に劇場公開される。今回は、本作の新規カットと共に主人公・坂田銀時(銀さん)の魅力を振り返ろう。
【写真】普段は最低だが、実は人情家の銀さん 『銀魂 THE FINAL』新規カット
抱腹絶倒のギャグと壮絶アクション、そして厚い人情を詰め込み、世界中のファンに愛され続ける人気漫画『銀魂』で、ジャンプヒーロー史上最低と目されながらも作品の人気を支え続けた銀さん。その性格は自堕落で奔放。下品で金にも汚く、とてもヒーローとは思えない言動を繰り返す人物だが、彼には不思議な魅力があった。
■ジャンプヒーロー史上最も活躍しない主人公?
銀髪天然パーマの主人公・坂田銀時。かつての攘夷戦争では桂、高杉、坂本らと共に戦い、その圧倒的な強さから“白夜叉”と呼ばれ数々の戦果を上げたスゴ腕の侍だったが、戦争が終わった後は志村新八、神楽と共に万事屋という“なんでも屋”を営みながら自堕落なその日暮らしを送る日々。
常にマイペースで金に汚く、性格はせこい。たまに周囲から持ち込まれる事件(?)を解決したり解決しなかったり、そしてたまに町中を騒動に巻き込んでいくお騒がせ男。これまでのジャンプヒーローたちのように、自分の強さを求めたり、世界を救ったりという高い向上心も正義感もなく、まさに“最も活躍しない主人公”といってもいいだろう。
■ジャンプ史上最多!? 謝罪を繰り返す男
これまで、ジャンプ編集部も絶句するような有名アニメや漫画のパロディー、アニメでも放送できないような大量のモザイク処理を繰り返し、原作に至っては連載終了を何度も発表するもなかなか終わらなかった。しまいにはジャンプからも追いやられ(?)、アプリで最終回を迎えるという常識破りな経緯を持つ。テレビでは新シリーズの放送が始まるかと思えば冒頭から謝罪会見を放送するなど、全く反省の色を見せず度重なる謝罪を繰り返してきた。
ようやく迎えたテレビ最終回でもまさかの話の途中で突然終わり、番組中に完結しなかった理由を並べるという暴挙に出るなどやりたい放題。15年の間、アニメ界の常識を覆し続けた。さらには実写化映画でも出演キャストが続々と実写化を“リレー謝罪”するなど、もはや謝罪さえネタにしてしまうほど。ジャンプヒーローでありながら謝罪を繰り返すという異色の主人公だ。
■実は最も義理人情に厚い“漢”
おきて破りで主人公らしからぬ銀さんだが、約束だけは絶対に守るという義理人情に厚い一面も持つ。どんな状況でも仲間のためなら絶対に駆けつけ、仲間を守り抜くためにはどんな困難にも全力で立ち向かう。
だからこそ、普段の銀さんを知る周囲の仲間たちからの信頼も厚く、銀さんに何かあった場合には逆に周囲の仲間たちが駆け付けるというカリスマ性も持っている。さらに攘夷戦争で“白夜叉”と呼ばれた戦闘能力は、仲間を守るときこそ最大限に発揮されるのだ。
ついに最後を迎えると発表されている映画『銀魂 THE FINAL』でも、銀さんは「俺の護りたかったもんは魂(ここ)にある」と仲間とともに立ち上がる。自分たちを教え導いた師匠・吉田松陽の別人格・虚(うつろ)によって地球滅亡のカウントダウンが迫る絶体絶命のピンチで、かつての盟友である高杉、桂とともに走る銀さん。そんな銀さんたちを援護するため、新八、神楽、真選組、かぶき町の面々だけでなく、かつてのライバルたちも参戦。奪われた江戸の平和を取り戻すために全員が集合し、終わる終わる詐欺じゃない「本当のラスト」が描かれる。
アニメ映画『銀魂 THE FINAL』は、2021年1月8日より全国公開。