旧ソ連の傑作カルトSF映画をアニメ化 『クー!キン・ザ・ザ』日本初公開
旧ソ連の傑作カルトSF映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986)をゲオルギー・ダネリヤ監督自らアニメ化した『クー!キン・ザ・ザ』(2013)が、5月14日より全国順次公開されることが決定。併せてポスタービジュアルが解禁された。ダネリヤ監督の遺作となった本作の存在は日本でも知られていたが、満を持しての日本初公開となる。
【写真】傑作カルトSFをアニメ化『クー!キン・ザ・ザ』場面写真
著名なチェリストのチジョフとDJ志望の青年トリクは、雪に覆われたモスクワの大通りでパジャマ姿のはだしの宇宙人と遭遇する。そして思いがけずキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。そこは見渡す限りの砂漠に覆われ、身に着けるズボンの色によって階級が分かれた場所だった。ほとんど「クー!」しか言葉が存在しない異星人たちを相手に、地球に帰ろうと2人は奮闘を始めるが…。
社会主義体制の真っただ中で制作され、カルトSF映画の傑作として世界中で多くのファンを生んだ実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』。同作を手掛けたダネリヤ監督が自ら、レトロ感あふれながらSFタッチの未来を感じさせるアニメで再構築した。“キン・ザ・ザ”界を象徴する釣鐘型宇宙船の浮遊感は、実写版では表現しきれなかったアニメならではの珍妙なリアルさを描き出している。
実写版は、当時のソ連の政治体制を皮肉めいた視点で描いたと評されたが、本作では、大きな変革の波にあった現代のロシアを戯画化して風刺する。ダネリヤ監督は本作の完成後、2019年に88歳で死去。本作が遺作となった。
本作の公開にあたり、実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』も同時リバイバル公開される。
アニメ映画『クー!キン・ザ・ザ』は5月14日より全国順次公開。