東出昌大、佐藤泰志原作『草の響き』映画化で3年ぶり主演
映画
俳優の東出昌大が、今秋公開される映画『草の響き』で主演を務めることが発表された。東出の映画主演は、2018年の『寝ても覚めても』以来3年ぶり。
【写真】東出昌大主演『寝ても覚めても』フォトギャラリー
早世の小説家、佐藤泰志の作品を映画化する本作。佐藤作品の映画化は、函館の映画館シネマアイリス代表・菅原和博によるプロデュースのもと、2010年の『海炭市叙景』（熊切和嘉監督）よりスタート。以降、2014年『そこのみにて光輝く』（呉美保監督）、2016年『オーバー・フェンス』（山下敦弘監督）、2018年『きみの鳥はうたえる』（三宅唱監督）と続いてきた。
今回の『草の響き』は、1982年に発表された佐藤の本格的な文壇デビュー作。2020年が佐藤の没後30年に当たることから、その記念作品として製作。昨年11月クランクインし、このほど作品が完成した。
監督は、長谷川和彦監督に師事し、1997年『フレンチドレッシング』でデビューした斎藤久志。2013年『なにもこわいことはない』が第26回東京国際映画祭［日本映画スプラッシュ部門］に出品。以降、荒井晴彦企画『空の瞳とカタツムリ』（2019）の監督などを務めてきた。
主演の東出が演じる役柄は、精神に失調をきたし、ふるさとの函館に妻と戻った男・工藤和雄。働くことができない彼は、精神科に通いながら、晴れの日も雨の日も精神の治療のために函館の街を走り続ける。そんな彼が、路上で出会った若者と心を通わすようになっていくことで、何かが変わり始める。
東出は「心を病んだ男がそれでも毎日走る理由は、きっと『良くなりたい』からだと思います。そして『良い』とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。楽しみに待っていてください」とコメント。
プロデューサーは、東出を主演に抜てきした理由を「若かりし頃の佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を一人黙々と走る。そのイメージを考えた時に、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と語っている。
映画『草の響き』は今秋全国公開。
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