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池松壮亮×オダギリジョーが紡ぐ兄弟の絆 『アジアの天使』特別映像解禁

映画

 俳優の池松壮亮が主演を務める映画『アジアの天使』より、【兄弟編】【恋愛編】の2種類の特別映像が解禁された。

【写真】池松壮亮とチェ・ヒソの関係の行方は 『アジアの天使』場面写真

 本作は、それぞれが心に傷を持つ日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。石井裕也監督がオール韓国ロケに挑んだ。

 妻を病気で亡くしたシングルファーザーの青木剛とひとり息子の学、そしてソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄・透。韓国でタレント活動をしているソルとその兄と妹。ソウルから江原道(カンウォンド)へと向かう列車で偶然巡り合った二つの家族は、言葉が通じ合わないにもかかわらず、不思議な旅を共にすることに…。

 主人公の青木剛を演じたのは『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『町田くんの世界』『ぼくたちの家族』など、石井監督作品には欠かせない池松。剛が身を寄せることになる韓国在住の兄には、石井監督演出のテレビドラマ『おかしの家』で主演を務めたオダギリジョー。元アイドルで売れない歌手のソル役には『金子文子と朴烈』のチェ・ヒソがふんしている。

 特別映像の【兄弟編】では、最愛の妻を失い喪失感を抱える小説家の青木剛(池松)は8歳のひとり息子・学を連れ韓国へ渡る。疎遠になっていた兄・透(オダギリ)からの「韓国で仕事がある」という言葉を頼りにしたが、あてにしていた仕事は最初からなかったことが判明。代わりに韓国コスメの怪しげな輸入販売を持ちかけられるが、その事業も失敗に終わる。剛たちは、わらをもつかむ思いで、ソウルから北東部にある海沿いの江陵(カンヌン)を目指す。

 妻を失い深い悲しみと向き合ったからこそ、言葉や文化を超えて人と人が分かり合おうとすることを諦めない剛と、剛とは対照的な、いい加減に見えてどこか憎めないひょうひょうとした兄の透。2人の息の合った掛け合いのシーンが映し出される。

 江陵に向かう電車の中で黙々と小説を書く剛と、暇を持て余したように後ろの座席からパソコン画面をのぞき込み、ちょっかいを出し始める透。「あの悲しげな瞳、さすがにダサいだろう…」と話しかける透は、うんざりしている剛をよそに「うるさくてもお兄ちゃんは言うべきことは言うよ」。続けて「お前の小説全然売れないな、ていうかお前旅が好きだよな、だから韓国まで来たんだろ、いや違う、生活に困ってたのか」と軽快な弟イジリは止まらない。剛はたまらなくなり「お前マジ勘弁してくれ、そのデリカシーの無さやばいぞ、お前のせいでこんな事態になっているんだぞ」と詰め寄るが、透は「お前って言うな、お兄ちゃんと言え」とかわしてしまう。

 【恋愛編】では、ソウルのショッピングセンターの一角で、剛は観客のいないステージに立つソル(チェ・ヒソ)を目撃する。元人気アイドルで歌手のソルは、自分の歌いたい歌を歌えずに悩んでいたが、若くして亡くなった父母の代わりに、兄・ジョンウ(キム・ミンジェ)とぜんそく持ちの妹・ポム(キム・イェウン)を養うため、細々と芸能活動を続けていた。

 市場で再びソルをみかけた剛は、言葉が伝わらないことを知りながら、泣いているソルを放っておけず、日本語で「大丈夫ですか」と話しかける。ソルは自分を見ながら笑っている剛を「なに笑ってるのよ!」と一蹴。その後、江陵行きの列車で再会した剛とソルは、それぞれの行き先を目指しながら旅を共にすることになる。

 ソルは「あなたは私の言葉が理解できないからこっそり弱音をはいているだけ」と剛につぶやく。剛は言葉が分からないながらソルの悲しげな表情を心配し、寄り添っていく。旅を共にするうちに、同じ痛みを抱え、言葉が通じ合わなくても次第に距離が縮まっていく2人の様子が映し出されている。

 映画『アジアの天使』は、7月2日より全国公開。

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