広瀬すず×松坂桃李W主演 本屋大賞『流浪の月』を映画化 監督は李相日
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2020年の本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説『流浪の月』(東京創元社)が、女優の広瀬すずと俳優の松坂桃李のダブル主演で映画化され、2022年に全国公開されることが決まった。監督は李相日。
【写真】2020年本屋大賞受賞 凪良ゆう著『流浪の月』原作書影
本作は、誘拐事件の“被害女児”として広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かないさらさ)と、“加害者”とされた当時19歳の大学生・佐伯文(さえきふみ)が、事件の契機となったそれぞれの秘密を抱えたまま15年後に再会する物語。家内更紗役を広瀬、佐伯文役を松坂が演じる。松坂は、李監督作品初出演、広瀬は『怒り』(2016)に続き2度目の出演となる。
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗に傘を差しかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意をくみ、部屋に入れた文のもとで、更紗はそのまま2ヵ月を過ごすことになる。だが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。「傷物にされた被害女児」とその「加害者」というらく印を背負ったまま、更紗と文は再会する。
広瀬は「『この役の気持ちを知ってると思って』と監督に言われたその日から私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています。私の少しの変化を、誰よりも早く細かく気付かれてしまいます。だからこそ監督の前では絶対嘘がつけないし、ちょっとでも誤魔化そうとするもんなら…想像するだけで…今、監督の前でお芝居するのが怖いです」と心境を明かす。
松坂は「李監督とは初めてご一緒しますが、作品を拝見していて、いつかやってみたいとずっと思っていた方でした。正直今は霧の中にいる気分です。ただこの作品に文として参加できる喜びを噛み締めてもいます。全身全霊でいきます」と意気込む。
李監督は「広瀬すずとは必ずまた映画で再会する。疑いのない確信と、強い願望を常々持ち続けていました。松坂桃李君のこの作品への意気込みには驚嘆するばかりです。身体つきはもちろん髪や体毛の一本一本、皮膚感に到るまで役に向けて丁寧に積み上げていく執念には心が震えます」とコメント。
原作者の凪良は「李監督から脚本をいただいたとき、人物への理解の深さに鳥肌が立ちました。原作にはないエピソードを追加しながらも、どこまでも更紗らしく文らしい。どれだけ原作を読み込んでくださったのだろうと、李監督にお任せして本当によかったと改めて確信しています」としている。
映画『流浪の月』は、2022年全国公開。