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ロジャー・ミッシェル監督、笑いと涙の長編遺作『ゴヤの名画と優しい泥棒』公開決定

映画

映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』場面写真
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』場面写真(C)PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

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 『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督の長編遺作『THE DUKE(原題)』が、邦題を『ゴヤの名画と優しい泥棒』として、2022年2月25日より公開されることが決定した。

【写真】映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』場面写真

 本作は、197年の歴史を誇る美術館<ロンドン・ナショナル・ギャラリー>で起きた名画盗難事件にまつわる実話を映画化した感動作。名もなきタクシー運転手の人生を賭けた大勝負を、涙と笑いを絡めて描く。

 世界中から年間600万人以上が来訪し、13世紀後半から20世紀初頭までの間の2300点以上の貴重なコレクションを揃え「英国の至宝」と称えられる美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、そこでスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件が起こった。

 この美術館の長い歴史の中で唯一にして最大の事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。彼はゴヤの絵画を“人質”に取り、イギリス政府に対して身代金を要求。テレビが唯一の娯楽だった時代、彼はその身代金を寄付してイギリスの公共放送であるBBCの受信料を無料にして、孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動を起こしたのだった。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が。約50年後に明かされる、イギリス中を巻き込んだ“優しい嘘”とはー。

 主人公ケンプトンを演じたのは、『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズや『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』、『パディントン』シリーズなど数多くの作品に出演するイギリスを代表する名優ジム・ブロードベント。「ジムの演技は愛情たっぷりで、彼が演じた主人公を愛さずにはいられない」とミッシェル監督が語った通り、ユーモアとウィットにあふれる演技を披露している。

 ケンプトンの妻役には、『クィーン』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞はじめ数々の賞で主演女優賞を受賞、近年も『黄金のアデーレ 名画の帰還』や『ワイルド・スピード』シリーズなどジャンルを問わず幅広い作品に出演し、圧倒的な存在感を放つ女優ヘレン・ミレン。長年連れ添った夫婦のドラマに重厚感を持たせている。さらに、『ダンケルク』での好演が記憶に新しい俳優フィオン・ホワイトヘッドが息子役を演じ、フレッシュな魅力を振りまく。

 メガホンをとったミッシェル監督は、今後の待機作にエリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』が控えていたが、今年の9月に65歳の若さで惜しまれながらも逝去。本作が長編遺作となった。これまでの監督作『恋とニュースのつくり方』、『私が愛した大統領』、『ウィークエンドはパリで』などに通ずるテンポの良いウェルメイドな作風は本作でも健在で、観る者すべての心をさわやかな気持ちに包み込む作品となっている。

 映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は2022年2月25日より全国公開。

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