クランクイン!

松岡充、“答え”求め続ける中で出会った運命的な役「僕自身の軌跡や苦悩が完璧にシンクロ」

演劇

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』キービジュアル
ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』キービジュアル

 ある1人の無名の役者から独裁者の影武者として生きた男の葛藤と再生を描くミュージカル『SHOWMAN〜4番目の影武者』が、9月1日より上演される。主人公のネブラを演じるのは、ロックバンド・SOPHIAのボーカルであり、俳優としても第一線で活躍を続ける松岡充。30年以上の音楽活動を経て出会った本作の脚本に「自身の核心を突かれた」と語る松岡に、作品への深い共鳴、実力派キャスト陣とのクリエイション、そして長年のキャリアの中でたどり着いた「自分らしさ」の哲学についてじっくり話を聞いた。

【写真】まさに奇跡の50代! 松岡充の撮りおろしショット

■ネブラという男「これは松岡充だな」

――出演にあたって、本作の第一印象をお聞かせください。

松岡:脚本のストーリー、そこに描かれている世界観が僕の核となるものに本当にビシビシ来て、衝撃でした。アーティストとして、30数年楽曲を創り、多くの作品を創ってきましたが、そんなたくさんある作品の中から核心を突いた部分を抜き出して脚本が書かれているような、そんな風に感じました。表現として、とても近いものを言っているな、という感覚でした。僕自身が、<もう1人の自分に><過去の自分に><未来の自分に>――そして<目の前にいてくださるオーディエンスに>ここまでドンピシャで伝えたいと思えるくらい当てはまってしまう作品に、僕は出会ったことがなかった。もはやその衝撃は、叫びに近いくらいの感情でしたね。

――演じられるネブラという男について、どのように捉えていますか?

松岡:先ほどの話につながりますが、役の名前としてネブラになっていますが、これは松岡充だな、と。すごく大雑把な言い方にはなりますが、僕が演じるネブラは“自分とは何者か”ということを、人生の晩年において思い、どうしても自分の人生に納得したいと考えたんだと思います。どういう道を行き、人にどう見られながら生きてきたかを、自分自身もちゃんと認識したい。それは、松岡充としてもそうですし、きっと見てくださった方にも当てはまることだと思います。

 自分自身のことを、僕はこんな人間です、と分類して明言することは簡単ですが、それを自分自身で本当に納得できているかどうかは、不安定なことじゃないかなと。そこに自信を持つには、自分が大切にしている人たちが自分のことをどう思ってくれているか、そこが自分の認識に変わっていくこと。内省だけじゃなく、自分じゃない誰かがいないと見えてこないものだと思います。ネブラには、それを言ってもらえる人が身近にいなかったんでしょうね。

 それで、たまたま出会った潤花さんが演じるスアという女性にお願いをして、見切り発車で「自分が何者か?」という問いかけをやっていくのですが、彼女が鏡のように映してくれる存在になっていったのだと思いますね。

――演じるにあたって、どのようなことを意識して臨まれますか?

松岡:あるがままを大切に、余計な加工をせず、素直に出すことが一番ですね。歌でもそうなんですが、手を加えれば加えるほど、歌っている本人は気持ちよくなることがありますが、聴いている側からすると耳障りになってしまうようなことって、多々あると思うんです。

 この作品は、韓国で生まれた作品だからこそ、日本で上演するにあたって、もともとあるものから減らさないこと、変な加工をしないでピュアでナチュラルな状態を保つことが求められると思います。方法論やアプローチは人それぞれ違っていても、原作の軸や本質を決してブレさせないように意識して臨んでいます。

――劇中の楽曲についてはどのようにご覧になっていますか?

松岡:僕はミュージシャンなので、どうしても分析してしまいがちなんですが、音楽的には今の日本人が好むような定番のコード進行や、アンサンブルの構築方法ではないので、非常に珍しく感じられます。ただ、あまり触れたことのないようなサウンド感だからこそ、自然と涙が出てしまうような、新たな感動を生む力があるように思いますね。

 このサウンド感を、言葉でヒントを挙げるとするならば、昭和の戦後復興期に国民が必死になって頑張っていた時代の音楽、みんなを奮い立たせるような熱量の音楽ですね。世代によっては懐かしさを感じるというか。コンピューターの音があふれ、人の体温を感じにくくなっている令和の今とは対照的に、人の心が震えるような魂の響きや温もりが宿っていると感じています。

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■韓国発ならではの“マルチ”キャストに「ここまで贅沢な構成は初めて」

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【公演概要】

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』
ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』キービジュアル

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』

【公演日時・会場】
9月1日(火)~9月13日(日)全17公演
新国立劇場小劇場

【出演】
松岡充 潤花 藤岡正明 万里紗 福井晶一 福室莉音

【脚本・作詞】
ハン・ジョンソク

【作曲】
イ・ソニョン

【翻訳】
宋元燮

【上演台本・訳詞・演出】
シライケイタ

【音楽監督】
国広和毅

【演奏】
前田涼子(Pf)、国広和毅(Key)、熊谷太輔(Perc)、大野萌子(Trp)、磯部舞子(Vn)、島津由美/平井麻奈美(Vc)

【スタッフ】
振付・ステージング:木下菜津子
美術:長田佳代子
照明:横原由祐
衣裳:半田悦子
音響:岡田 悠
ヘアメイク:田中エミ
演出助手:有坂美紀
稽古ピアノ:前田涼子
舞台監督:川除学
票券:サンライズプロモーション
制作:横井佑輔、大友泉
プロデューサー:宋元燮、石橋千尋
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