宅間孝行&鈴木杏樹、タクフェス5年ぶりの新作公演で描くのは“家族”「登場人物が愛おしくなり、温かい涙を流せる作品」に
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宅間孝行が主宰するエンタテインメントプロジェクト「タクフェス」待望の最新作、第14弾『北の島から』の上演が決定。この度、タクフェスの主宰で、作・演出、そして、長男・隆を演じる宅間と、隆の妹・直美を演じる鈴木杏樹のインタビューが到着した。
【写真】20年以上の付き合い! 宅間孝行&鈴木杏樹のトークショット
本作は11月より、名古屋、大阪、小樽(北海道)、東京の4都市を巡演する。舞台は、雄大な自然に囲まれた日本最北の島・礼文島。静かな島で暮らす1人のおやっさんと、彼を慕う若手漁師たちのリーダーを中心に物語は動き出す。平穏な日常を一変させたのは、リゾートバイトとしてやってきた一人の美女。島中を巻き込んだ大パニックの中、都会へ出ていた息子や娘、強烈な個性のスナックのママ、サボり癖のある島医者など、クセ者たちが入り乱れる大騒動へ発展する。笑いと喧嘩の絶えない騒動の果てに待つのは、まさかの感動と、事件の裏に隠された切なくも温かい「家族の真実」だった。
――宅間さんにとって、5年ぶりの新作公演になります。まず、本作が生まれたきっかけや本作への思いを聞かせてください。
宅間:数年前にロバート・デ・ニーロ主演の『みんな元気』という映画を観て、こういう作品も素敵だなと思ったんです。調べてみたら、その作品は僕の大好きな『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督が1990年に撮った同名映画のリメイクでした。さらに、そのトルナトーレ監督版は、小津安二郎監督の『東京物語』へのオマージュとして作られた作品でした。僕はトルナトーレ監督の作品はどれも観ていたので、『みんな元気』も知っていていいはずなのに、当時は全然知らなくて。『東京物語』も昔に観たことがあったのですが、当時はそれほどピンときていなかったんです。ですが、3年前に父が亡くなり、自分の子どもも大きくなったことで、改めて家族の話に取り組んでもいいのかなと思うようになりました。家族の物語が沁みてくるようになったんですよ。
山田洋次監督が、『東京家族』を撮ったのが55歳のときですが、山田監督も若い頃は派手な物語を撮りたかったそうです。ですが、10年くらい前にお会いしたときに「僕も家族を描いたものがやりたくなったんだよ」とおっしゃっていました。僕は今、当時の山田監督と同じくらいの年齢ですが、やっぱり同じように家族というものにしっかりとフォーカスを当てた物語を作りたいという気持ちが沸いています。起承転結がはっきりとしていて、ドラマチックな展開の物語も良いのですが、今回は、人間や家族にフォーカスをした物語に向き合ってみようかなと思っています。
――礼文島を舞台にしたのはどんな理由からですか?
宅間:『東京物語』のような作品を作ろうと思ったときに、東京からは行きづらい、遠い街を舞台にしたいと思ったんです。それで考えたとき、九州や四国を舞台にした物語は作ったことがあったんだけど、北海道はなかったなと。それから、僕の公演では、毎回、前説で「どこから来ているの?」とお客さんに聞いて、1番遠くから来た人を探すということをやっているんです。ただ、札幌公演のときは、東京から来た人が一番遠くなってしまいがちなので、北海道の人が北海道のどこから来ているのかを聞くようにしています。
鈴木:確かに、同じ北海道で距離は近くても、交通手段が大変な場合もありますよね。電車でも5、6時間かかることがあるのが北海道みたいなので。
宅間:そうなんですよ。それで、前説で聞いたら、この何年か礼文島から来てくださっている方がいて。それが本当に時間がかかって大変なんです。フェリーに乗って、そこからバスに乗って札幌まで来るそうなんですが、冬だと雪でフェリーが止まってしまうかもしれないから、2日前から札幌入りをするのだと。そうした話を聞くまで、恥ずかしながら、礼文島がどこにあるのかもよく分かっていなかったのですが、それほど行きづらい場所にある礼文島を舞台にしたら面白いのではないかと考えたんです。それで、いろいろと調べたら、実はそのお客さんは、礼文島で宿をやっていて、宿泊するお客さんにタクフェスの宣伝をしてくださっていたことが分かったんですよ(笑)。大阪で公演したときのお客さんだったと思いますが、アンケートに「北海道の礼文島に行ったときに泊まった宿の方に勧められて来ました」と書いてくださった方がいて(笑)。「あれ、あの人じゃない!?」って。
鈴木:繋がりましたねー(笑)。
宅間:そういう繋がりもうれしいですよね。そこまで一生懸命応援してくださっている。どこか東京から遠く離れた場所を舞台に書くということしか決まっていなかったので、どうせなら一生懸命、足を運んでくださるファンの方がいる礼文島にしてみようと思って、今回の舞台となりました。
――鈴木さんは、今回、宅間さんの演じる花村隆の妹という役どころです。出演のお話を聞いていかがでしたか?
鈴木:宅間さんとは20年以上の付き合いなんです。東京セレソンデラックス時代、そしてタクフェスを観させていただいていて、ずっとファンでした。以前にもタクフェス春のコメディ祭『わらいのまち』という作品に出演させていただいたので、舞台では今回が2作目になりますが、どんな作品であれ宅間さんとご一緒できることが嬉しくて、すぐにお引き受けいたしました。今回、『東京物語』のような家族をテーマとした物語だと聞いていたので、ちょっと安心しました(笑)。プロレスの物語ではなくて良かったなと(笑)。
宅間さんの作品で好きなところは、楽しいシーンが続いた後に、胸の奥に染み込んできて、「自分の中にもこういうことってあるな。こういう感情を忘れていたな」と感じさせてくれるところです。思い出したら、涙が出てくるような、心に響く物語ばかりです。今回も、誰もがどこかで感じているものが散りばめられていて、観終わった後に「家族を大事にしよう。いつでも帰ることができると思ったら大間違いだ」と思ってもらえるのではないかと思いますし、1日1日を大事にしようと思い直すのではないかと思います。
――宅間さんは、鈴木さんに直美という役をお願いしたことにどういった思いがありましたか?
宅間:僕が最初にテレビドラマを書いたときにも出演してもらっているんですよ。それから、ずっとうちの作品を観にきてくれて、ご飯にも行ったりもする仲間であり、腐れ縁のような関係です。そういう意味では、この役にハマっていると思います。
鈴木:妹役だからね!
宅間:そう、お互いの家族のことも知っているので、一番腑に落ちる配役だなと。
鈴木:確かに付き合いも長いし、関係性も近いから、そうだなと思います。
――鈴木さんは直美というキャラクターについて、今の時点ではどう感じていますか?
鈴木:まだこう演じようという具体的なことは考えていませんが、お兄ちゃん、直美、そして弟の健の3人でわちゃわちゃと話すシーンを楽しみにしています。兄弟らしく言い合いをしながらも、面白くなればいいなと。
宅間:とにかくお客さんに楽しんでいただけるシーンにしたいですよね。笑わせるにしても、グッとくるにしても。兄弟のあり方や親との関係性を台本では描いていますが、きっと稽古をしていくうちに足したり引いたりするところがたくさん出てくると思うので、お互いにリアルな空気感で作っていけたらと思います。お客さんがこの家族や島の人たちを愛してくれたら勝ちだと思っているので、そうなれるように作っていきたいです。
【公演概要】
舞台『北の島から』
11月20日~11月22日 アマノ芸術創造センター名古屋(名古屋市芸術創造センター)
11月26日~11月29日 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
12月5日 小樽市民会館
12月11日~12月20日 サンシャイン劇場
【出演】
関口メンディー
矢島舞美
石垣佑磨
浜谷健司
石田亜佑美
鈴木杏樹
モト冬樹
宅間孝行(作・演出)
<公式HP>https://takufes.jp/kitanoshimakara/