大石継太&朝海ひかる、信頼で結びついた同志が誘う“言葉の美しさ”あふれる清水邦夫の世界
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大石継太
――本作に臨むにあたって、何かインプットされたことはありますか?
朝海:私は『三人姉妹』、『タンゴ・冬の終わりに』を観たりしました。また、二・二六事件の北一輝についても、事あるごとに検索して、写真を見て、“私はこの人と会ったんだ”と身近に感じられるようにイメージしたりしていました。まだ何かを掴めているわけではないのですが、『タンゴ・冬の終わりに』の平幹二朗さん、松本典子さんの熱量が本当に素晴らしくて。そして、その作品の松本さんの役名もぎん。別の作品ですが、同じ役名であることに何か意味があるのでは?と想いをめぐらせたりしています。
――北一輝については、どのようにとらえていますか。
朝海:国賊とされている人物ですが、きっとぎんにとっては、優しいおじさん、という感じだったのではないでしょうか。怖い国賊というイメージではなく、兄の一機が持っているイメージでもない、ぎんにとっての北一輝。そんな雰囲気を出せたらと思います。
大石:僕もインプットというほどではありませんが、北一輝についてはいろいろ調べたりしています。お顔も見て、こんな人物だったのか、と。僕が演じる一機と北一輝の繋がりというものは想像ですけども、北一輝は戦っている人。一機の心の中には父親のことも出てきていて、その“戦う”という部分に最初はシンパシーを感じて、入り込んでいったのではないか、とイメージしています。そこからの狂気が課題ですね。
――今回の役を演じるにあたって、芯になるものを言葉にするとどのようになりそうでしょうか。
大石:なるべく自分で勝手に進んでいかないように、やっていきたいと思っています。朝海さんとご一緒していてすごく楽しいですし、この先も稽古でいろいろとたくさんのことがあると思うんですが、自分勝手に世界をポンポンと作っていくのではなく、他の役者さんも含めて、前の作品とは違うものができたらいいですね。そうやってある種、自分を律していくところも戦いです。
朝海:私も大石さんと同じで、今はすごく周りを見ています。自分だけでは突っ走れないですね。
大石:ご一緒していて、そこはすごく感じ取っています。それが楽しいところでもあるんです。
朝海:私と大石さんの役は義兄妹。ぎんは小さいころからずっと、お兄ちゃんである一機を見て、行動してきたところがあるので、私も大石さんの行動を見て動く。それで出来上がってくる関係性があるんじゃないかと思っています。今は、形を決めない。そういう気持ちで稽古に臨んでいます。
――役どころの印象だと、嘘か真か分からないような話をして周囲をかき乱し、ある意味で奔放に振る舞っている役かと思いましたが、役作りにおいては真逆で緻密に重ねていくものなんですね。
朝海:確かにそうですね。難しいところです。戯曲を読んだ時の印象と、役としてやってみるときの印象は結構違いますね。稽古場にいるときも、いろいろな役の方々の異なる考え方で作ってきているので自分本位になりすぎないようにと思っています。どうしても、集中したり、役にグッと入ってしまうと視野が狭くなってしまうので、そこは自分に言い聞かせています。
大石:僕はとにかく、稽古場では元気でいること(笑)。あまり悩まないです。みんなと一緒に、元気でいれば回っていきますから。今回のカンパニーには高校生もいて、世代も広いので、たくさんコミュニケーションが取れればと思います。
◆互いの印象は「リスペクトしかない」「お芝居で一緒に戦える相手」
【公演概要】
unrato#14『夢去りて、オルフェ』
8月21日~30日:東京・東京芸術劇場 シアターウエスト
◆作
清水邦夫
◆演出
大河内直子
◆音楽
三枝伸太郎
◆出演
大石継太
朝海ひかる
加納幸和(花組芝居)
舞羽美海
久保田秀敏
田野聖子
佐奈宏紀
平体まひろ(文学座)
小柳喬(演劇集団円)
※小柳喬の「柳」は旧字体が正式表記
中村茉夢
田仲ゆら
綾部遥斗
田﨑斗翔
泉愛菜
【公式サイト】https://ae-on.co.jp/unrato/yumesariteorpheus/