大石継太&朝海ひかる、信頼で結びついた同志が誘う“言葉の美しさ”あふれる清水邦夫の世界
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朝海ひかる
――今回の共演にあたって、お互いの印象についてもお聞かせください。
朝海:私はもう、リスペクトしかありません。以前、蜷川さん演出の『しみじみ日本・乃木大将』で大石さんとご一緒させていただいたのですが、私は当時、蜷川さんの演出は初めて。どうすればいいのかも分かっていないところに、大石さんが毎回、稽古場で挑んでいる姿を見て、稽古とはこうやらなければならないのか、と教えていただきました。本当に戦っているような感じでした。“先輩”という感じです。
大石:いやいや、僕は全然できていなかったから。でも、特殊な稽古場でしたよね。
朝海:毎回、役者が稽古場に何をプレゼンで持っていくのか、みたいな。みなさん、稽古の1時間~1時間半前には絶対に稽古場にいて、そこから戦いは始まっている感じでした。そこで戦っている大石さんを観て、演劇って自由なんだ、という印象が強くなりましたね。そして、稽古が終わったら飲みに行く。
大石:飲みましたね。あれは楽しかった。
朝海:私はあの1回しか蜷川さんの演出を経験できなかったですが、その稽古場でのイメージは強烈に残っています。でもその鮮やかさは、今の稽古場でも変わっていないですね。毎回、驚くくらいの引き出しを開いてくださいますから。
大石:ご一緒した時は、宝塚をおやめになられてから数年ほど。最初は、宝塚出身の方なのか、という印象でしたが、お芝居を一緒にやって、飲みに行ったりもして――宝塚出身の方への先入観が覆りました。僕はずっと蜷川さんのところにいましたが、そんな特殊なカンパニーに入ってきてチャレンジするエネルギー、負けないぞ、という力。それはもう、本当にすごいものでした。ちゃんとお芝居をされるから、ダメ出しもそんなになかったし。
朝海:いえいえ、ありましたよ。
大石:それでも、負けない強さは、その時からすごくしっかりしていた印象があります。あれから十数年が経って……遠慮も何もいらない変に気遣いをすることもない、お芝居で一緒に戦える相手だと思いました。僕がこうしよう、ああしようと言ったときに、それを受けて2人の中で生まれてくるものが、僕は本当にうれしいんです。ともに戦うパートナーとして、とても素晴らしいですね。
朝海:うれしいですし、光栄です。胸をお借りします。
――何か、戦場で背中を預けられる同士のような感じがします。そんなお2人が挑む『夢去りて、オルフェ』の上演を楽しみにしているみなさんに、メッセージをお願いします。
大石:清水邦夫さんの作品を知っている方も、初めての方にも、ぜひご覧いただきたい作品です。過去にご覧になっている方は、昔を思い出していただきたいですし、初めての方には清水さんの美しい言葉、清水さんの世界を経験していただきたい。清水さんの作品は簡単ではありませんが、こんな作品、こんな世界もあるんだ、と体験していただきたいです。一度足を運んでいただけたらうれしいです。
朝海:この記事を読んでくださっているような演劇がお好きな方ならば、この作品は見逃さないほうがいいんじゃないかと思います。清水さんの描いた戯曲を、この時代で上演する意味のようなものを、きっと感じ取って好んでいただけるのではないでしょうか。ぜひ観劇して、その感想をカンパニーまで送ってください。清水作品の世界をみんなで共有したいと思いますので、ぜひ一緒に楽しんでいただきたきたいです。
(取材・文:宮崎新之 写真:篠塚ようこ)
舞台 unrato#14『夢去りて、オルフェ』は、8月21日~30日東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて上演。
【公演概要】
unrato#14『夢去りて、オルフェ』
8月21日~30日:東京・東京芸術劇場 シアターウエスト
◆作
清水邦夫
◆演出
大河内直子
◆音楽
三枝伸太郎
◆出演
大石継太
朝海ひかる
加納幸和(花組芝居)
舞羽美海
久保田秀敏
田野聖子
佐奈宏紀
平体まひろ(文学座)
小柳喬(演劇集団円)
※小柳喬の「柳」は旧字体が正式表記
中村茉夢
田仲ゆら
綾部遥斗
田﨑斗翔
泉愛菜
【公式サイト】https://ae-on.co.jp/unrato/yumesariteorpheus/