クランクイン!

スピード感あふれる推理劇であると同時に主人公の成長描く人間ドラマ/劇団アレン座『大正浪漫探偵譚 -エデンの歌姫-』ゲネプロレポ

演劇

劇団アレン座 舞台『大正浪漫探偵譚 -エデンの歌姫-』ゲネプロの様子
劇団アレン座 舞台『大正浪漫探偵譚 -エデンの歌姫-』ゲネプロの様子 クランクイン! 写真:双海しお

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栗田学武

來河侑希

三浦海里

新井雄也

近童弐吉

伊万里有

水越里歌

亀田結心

西岡諒佑

鈴木茉美

 劇団アレン座の10周年記念興行として上演される舞台『大正浪漫探偵譚 -エデンの歌姫-』が、東京・光が丘IMAホールにて開幕。作・演出は同劇団の鈴木茉美。主人公の探偵・東堂解役は、劇団所属の栗田学武が務め、木崎茂役では劇団を主宰する來河侑希も出演する。初日を前に実施されたゲネプロの様子をレポートする。

【写真】舞台『大正浪漫探偵譚 -エデンの歌姫-』ゲネプロの様子

◆主人公の心の移ろいを見せる栗田学武の芝居に惹きこまれる

 連続殺人事件と、その背後に見え隠れする謎の組織「エデン」。その真相にせまる、王道の骨太ミステリーだ。大正という時代の気品を舞台美術や衣裳に宿しながら、思想が人の運命を左右しえたこの時代ならではの空気を、事件の背景にも、登場人物一人ひとりの生き様にも色濃くにじませていく。そうして立ちのぼる大正浪漫の香りが、物語に独特の陰影を与えていた。

 物語の主軸を貫くのは、謎解きのスリルだけではない。事件を追う探偵・東堂解の、人間的な成長を描くドラマとしての側面が、作品を静かに、しかし太く貫いている。
 
 時は大正。探偵業を始めたばかりの東堂は、大学時代の友人・北原以外とはうまくコミュニケーションがとれない変わり者だ。そんな東堂のもとに、北原が同居人兼助手として破天荒な南条を連れてくる。南条や、事件を追う中で出会う人々の言葉や想いに触れるうち、ひとり思考の世界に閉じこもっていた東堂は、少しずつ外の世界へと踏み出していく。その心理的な壁を越える瞬間を、セットを用いて視覚的に見せる演出が巧みだ。鈴木茉美の演出の妙が光る。

 演出面では、暗さの使い方も印象的だった。あえて表情を読み取らせない場面がいくつかあり、それぞれが自分の正しいと信じた道を進んだ果てに、何を思うのか。観る者に想像を促す余韻が、随所に仕掛けられていた。

 物語の中心に立つ東堂を演じるのは、栗田学武。探偵ゆえに膨大なセリフを担いながら、ひと言、ひとつの仕草で「変わり者」と伝わる台詞回しが見事だ。序盤の東堂はうつむきがちで表情が見えず、どこか無感情にすら映る。だが、人と関わるうちに、次第に感情の波が立ち、温度を帯びていく。その移ろいこそが、本作最大の見どころだろう。栗田は、成長を見せるという難役を堅実な芝居で務め上げている。

 その東堂を、静と動の両側から引き立てるのが北原(三浦海里)と南条(新井雄也)の2人の存在だ。あたたかく見守る北原のやわらかな友愛と、台風のように賑やかに東堂の懐へ入り込んでいく南条。この静と動の対比が、2人自身の魅力はもちろん、真ん中に立つ東堂の個性をくっきりと際立たせていた。

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◆推理劇であると同時に、ひとりの男が世界と出会い直していく物語

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【公演概要】

舞台『大正浪漫探偵譚 ‐エデンの歌姫‐』

■日程・会場
9月5日~12日 東京・IMAホール

■出演:
栗田学武(劇団アレン座) 來河侑希(劇団アレン座) 新井雄也 伊万里有 佐藤弘樹 三浦海里 亀田結心 西岡諒佑 吉田拓也 吉田邑樹 野間理孔 桑原勝 水越里歌

林田麻里 近童弐吉

■スタッフ
作・演出:鈴木茉美(劇団アレン座)
舞台美術:片平圭衣子
舞台照明:尾形瑛子
音響:川西秀一(Lucky jr. Sound)
音楽・原曲:翡翠(月読レコード)
アクション振付:小笠原竜哉(ジャパンアクションエンタープライズ)
舞台監督:森下紀彦
歌唱指導:吉田純也
映像:浦島啓(colore)
衣裳:西田さゆり(Ns costume)
ヘアメイク:藤本麗
演出助手:渡辺帆南(ASAP)、増田美咲(ASAP)
アンダー:柿本龍星、永井良
宣伝美術:大串潤也(mepakura)
宣伝美術補助:升田智美(Mdesign)
撮影:渡部実加子
制作協力:島崎翼(feather stage)
制作:藤田秀幸、川口葉月、仲宗根久乃
プロデューサー:キタガワユウキ

<公式サイト>https://romataneden2026.com/
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