演出家・鈴木裕美、念願の『ガラスの動物園』挑戦 須賀貴匡、黄川田雅哉、村井友映、西尾まりら実力派キャスト集結
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◆訳・演出・美術・衣裳:鈴木裕美
稽古の過程で、「ああ、今、馬が走りだした!」と思う瞬間があります。
俳優が自分の「役」を自在に乗りこなしだしたと感じた時、そう思います。私の中では、大草原を、陽の光を浴びながら、鞍もつけずにイキイキと自由に馬を走らせている人、そんな姿がイメージされています。馬が勝手に走っていて、俳優が落ちないようにしがみついているのではなく、俳優が鞭で無理に馬を走らせているわけでもなく、まさに人馬一体となって草原を駆け抜けていく様、私の理想の演技はそんなイメージです。
よく演技に対して、「成り切る」とか、「乗り移る」という言葉を褒め言葉として使うことがありますが、私には少し違和感があります。自我を失くして役になることより、馬と人のように、あくまで別々の生命でありながら、共に生きていることを謳歌していること、それが私が美しいと感じる「役」と俳優の関係です。
俳優の最も大事な仕事とは、舞台の上で、今その「役」に何が起こっているのかを深く考え、想像し、感じることだと思います。そして相手役を感じ、受け入れ、やり取りをすること。私が劇場に行く最も大きな理由は、それを見たいからです。
俳優の仕事は、その俳優独自の芸術性、創造性、感受性が必要な大変な仕事です。それでいて実際に行うことは、紛れもなく非常に具体的な肉体労働。そんな変な仕事を望んでやっている俳優という変な生き物を、私はとても尊敬していますし、愛してやみません。
そんなわけで、俳優+彼らが創造する「役」=「人」を見たい気持ちから、「素描シリーズ」を始動します。
私はもちろん豪華な装置や衣裳や音楽のある舞台も大好物ですが、「素描シリーズ」はそれらを極力排して、「人」に焦点を絞った芝居を創りたいと思います。また、積極的にオーディションを行なって、出演者を決定していこうと思ってもいます。
舞台上を颯爽と自由に駆けていく、馬と人をお目にかけられたらと思います。どうぞご期待ください。
【公演概要】
鈴木製作所 素描シリーズ01『ガラスの動物園』
12月9日~12月20日:東京・新宿シアタートップス
◆作
テネシー・ウィリアムズ
◆訳・演出・美術・衣裳
鈴木裕美
◆出演
須賀貴匡
黄川田雅哉
村井友映
西尾まり
【公式サイト】https://suzukiworks.net/glassmenagerie/