『キングオブコント2022』ファイナリスト紹介~笑いのメッカ・大阪からやってきた3組
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2008年から開催されている“コント芸日本一”を決める『キングオブコント』が今年も開催される。決勝進出者は、いぬ、かが屋、クロコップ、コットン、最高の人間、ニッポンの社長、ネルソンズ、ビスケットブラザーズ、や団、ロングコートダディ(50音順)の10組。本稿では、そんな決勝進出者のうち、大阪吉本に所属するニッポンの社長、ビスケットブラザーズ、ロングコートダディの3組について紹介したい。
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■ ニッポンの社長
『キングオブコント2022』決勝進出が決定したニッポンの社長(左・辻、右・ケツ) (C)TBS
2013年結成、NSC大阪校32期の辻と同校33期・ケツによるコンビニッポンの社長。シュールで、少しだけブラックなコントを得意とする2人のネタは、設定はぶっ飛びつつ、あくまでも我々が想像しやすい日常生活がシチュエーションになっていることが多い。
例えば、初めて決勝に進出した2020年決勝での「ケンタウロス」。冒頭、ケツ演じる高校生が下半身だけ馬の姿で登場し「もうええて! なんで俺だけ下半身馬やねん」「1番足速いのに、1番モテへん」と、ケンタウロスであることの苦しみを約2分間1人芝居。そこに顔だけ牛のミノタウロスの女性、辻が登場し、HYの『AM11:00』を歌い出すというネタだ。
このネタ、ストーリーだけ見るとラブストーリーのように思えるが、最後の最後への展開がなんとも“ニッ社”らしい。HYを歌っている彼らを見て「なんだ、これ」と笑っていた審査員が「そう来たか…」と言わんばかりの表情で点数をつけていたのも、今思えば狙い通りだったように思える。ただ、ほっこりとだけでは終わらせず見ている側を困惑させて、記憶に残っていくのがニッポンの社長ワールドなのだ。
そんなニッポンの社長ワールドは、確実に広がってきている。キングオブコント3年連続進出のみならず、2021年には『水曜日のダウンタウン』(TBS系/毎週水曜22時)内の企画、30秒でネタを披露する「30‐1グランプリ」で優勝。同年行われた「第8回NHK新人お笑い大賞」にて大賞、2022年には「第57回上方漫才大賞」の新人賞を獲得。さらには2022年に初めて行なわれた、西友の“安さ”と“お得”をテーマにネタを披露する「スーパーお笑い大賞~おもろいやつが得をする~」でも一般投票総数1万6348件を集め、優勝した。まさに今、波に乗っているニッポンの社長。最近はバラエティ番組で見かけることも増えた2人だが、やはりその魅力はコントにあり! 今大会でも爪痕を残すのではないかと期待が高まる。