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夏帆、『silent』『ブラッシュアップライフ』で再注目 透明感&存在感あふれる演技の魅力

ドラマ

◆特にすごい、ここ数年のさまざまなメディアでの活躍

 『silent』で一気に注目された形の夏帆だが、ここ数年だけを見ても、さまざまなメディアに引っ張りだこ。舞台では『阿修羅のごとく』で木野花演出のもと、小泉今日子、小林聡美、安藤玉恵と渡り合い、映画では主演作『ブルーアワーにぶっ飛ばす』で、毒づき退廃的なオーラをまといながら、シム・ウンギョンと息の合ったやりとりを見せた。

 また島本理生原作小説を映画化した『Red』では、妻夫木聡相手に大胆な描写も細やかな表情で魅せた。さらに『さかなのこ』では、主人公のミー坊にとって特別な存在のひとりであるモモコを好演。のんがさかなクンをモデルとしたミー坊を演じることに注目が集まったが、ミー坊と同居生活をし、影響を与えるモモコ役も、夏帆だからこその説得力があった。

 ディズニープラスの『拾われた男 Lost Man Found』では、作品と視聴者を繋ぐバランス力を見せ、Netflixの『First Love 初恋』では、微妙に『silent』とも重なりそうな、しかしもっとアダルトさを含んだ女性を演じている。『silent』や『First Love 初恋』で、夏帆イコール切ない女性のイメージを持ってしまった人におすすめなのが、『架空OL日記』でも組んだ、現在放送中のバカリズム脚本によるドラマ『ブラッシュアップライフ』、そしてAmazon Prime Videoの「緊急事態宣言『ボトルメール』」と、「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~『冬眠中のボクの妻』」だ。

 ふっと笑わせるような役柄もうまい夏帆。中でも成田凌と共演の『冬眠中のボクの妻』は、『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子が脚本・監督を務め、精神疾患を描きながらファンタジー色で覆った作りになっているため、演者によっては成立が難しかったと思うが、夏帆の巧さが光っている。この1~2年の彼女を追うだけで、その出演作は両手で足りない。少女期を経て、20代も縦横無尽に果敢に、さまざまなジャンルを泳いだ夏帆の30代からがさらに楽しみで仕方ない。(文:望月ふみ)

 ドラマ『ブラッシュアップライフ』は、日本テレビ系にて毎週日曜22時30分放送。

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