<8.9は野球の日>高倉健が中日ドラゴンズの監督に! 色んな角度から楽しめる野球ムービー5選
『マネーボール』 写真提供:AFLO
メジャーリーグの貧乏球団、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、見るからにオタクな風貌のイエール大学卒のピーター(ジョナ・ヒル)と出会う。ビリーは彼が主張するデータ重視のチーム運営論に勝つための突破口を見出し、後に“マネーボール理論”と呼ばれるようになる新しい戦略を実践していく。当初はその理論が活きずに周囲から馬鹿にされるが、次第にその戦略が功を奏し、チームは驚きの快進撃を続けていく。
全30球団もあるメジャーリーグだが、その貧富の格差はすさまじい。最近まで藤浪晋太郎選手が所属していた(先月ボルチモア・オリオールズに移籍)ことでも知られるオークランド・アスレチックスは、今でもメジャーリーグを代表する貧乏球団だ。しかし野球というのは、必ずしもお金があれば勝てるわけではない。2001年、主力選手を失ったアスレチックスは、見過ごされていた選手の成績に焦点を当て、統計学を駆使した戦略を用い、下剋上を成し遂げていく。その実話を映画化したのが本作である。
球団の裏方であるフロントの業務が中心に描かれるので、選手が売り買いされるトレード期限ギリギリの交渉風景などは、野球ファンにも新鮮に映るだろう。一方、試合シーンも抜かりはなく、本作の役者は野球経験者を中心に構成されていて(数ある野球映画の中には、役者の動きにリアリティがない作品が意外と多かったりするのだが…)、リアリティのある動きで躍動感のある試合描写を実現。その点でも、異色かつ優秀な野球映画と言えるだろう。