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ブラッド・ピットがひたすらカッコいい『F1(R)/エフワン』 本物にこだわった“体験映像”も圧巻

映画

■とにかくブラッド・ピットがカッコいい! 改めて認識したスター性

 「ブラピってカッコいいんだな、やっぱり」。

 これが本作を見た筆者の率直な感想である。ブラッド・ピットがカッコいいなんてことは、世界の周知の事実ではあるのだが、とにかくこの映画は初めのカットから最後のカットまで、ずーっとブラッド・ピットがカッコいいのだ。

映画『F1(R)/エフワン』場面写真 (C)2025 WARNER BROS.ENT.ALL RIGHTS RESERVED.
 長身のイケメン俳優であることはもちろん、ワイルドさと茶目っ気が同居し、立っているだけでカッコいいのに汚れ役を好んで演じてきた俳優でもあるブラッド。ブレイクした『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)では、無垢なイケメンっぷりをいかんなく発揮したが、作品を選べる立場になった30代からは『セブン』(1995)、『12モンキーズ』(1995)、『ファイト・クラブ』(1999)、『スナッチ』(2000)など、もてはやされる容姿を逆手に取るようにやんちゃかつ危険な男を好演。さらに1994年にトム・クルーズと共演した『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』ではまさかの吸血鬼役など、演じる役柄はとにかくバラエティに富んでいる。

 40代以降は“子供の親”を演じることも多くなり、イケメンではありつつも落ち着いた役が増えてくるが、それでも“カッコいいブラピを堪能する作品”というのはこれまでほとんどなかったように思う。

 そして現在、ブラッド・ピットは61歳。2023年制作の『F1(R)/エフワン』撮影当時でも59歳くらいだろう。キャリアも晩年に差し掛かっていると言っても過言ではないこの2025年に、ブラッド・ピットがこれほどカッコいい俳優と改めて思い知らされるとは思わなかった。この映画『F1(R)/エフワン』における”カッコいいブラピ表現”の狙いは、監督のジョセフ・コシンスキーならではの”スター性の最大利用”だろう。

映画『F1(R)/エフワン』場面写真 (C)2025 WARNER BROS.ENT.ALL RIGHTS RESERVED.
 ご存じのように、コシンスキー監督の前作『トップガン マーヴェリック』の主人公はトム・クルーズ演じるマーヴェリック。しかし36年もの年月を経た続編において、コシンスキー監督はマーヴェリックという人物像に俳優トム・クルーズそのものを投影させ、それが大きな感動を呼んだのは記憶に新しい。本作の主人公ソニー・ヘイズもまさにブラッド・ピットという希代の俳優のスター性をそのまま役に落とし込んだキャラクター。頼りになってカリスマ性があるのに、どこか茶目っ気があって、多くを語らず、つかみどころのない男。地上版『トップガン』とも言われる本作だが、マーヴェリックとはまた違う、ブラッド自身を投影したソニーというキャラクターが、本作の魅力をさらに押し上げた大きな要素となっている。

 先日行われた本作のロンドンプレミアには、トム・クルーズがサプライズ登場し、ブラッド・ピットと奇跡の2ショットを披露した。31年前の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』以来共演なしの2人だが、今後再びスクリーンで並ぶ2人を観られるのではとにわかに期待が高まった。ちなみに本作で13作目のタッグを組んだプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと音楽のハンス・ジマーが初めて出会ったのは、トム主演のレース映画『デイズ・オブ・サンダー』(1990)だったという、奇妙なつながりも。まだまだ老け込まない、世界的大スター2人の共演をぜひとも観てみたいものである。(文:稲生D)

 映画『F1(R)/エフワン』は公開中。

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