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猿“たち”の快進撃が始まった『豊臣兄弟!』 フィクションならではの味付けで仲野太賀&池松壮亮が戦国駆ける

ドラマ

■2匹の猿から侍へ。「片方だけでは何の役にもたたん」草履のごとしバディ

 第4話は、いよいよ桶狭間の戦い。小栗・信長による幸若舞『敦盛』の「人間五十年~」には、序盤からつい「おお!」とテンションが上がってしまった。さて、周知の通り、桶狭間の戦いは信長軍が勝利したが、本作では、その勝因を信長による「奇襲」だけでなく、小一郎の言葉からヒントを得た「雨」予測による、銃への対策、足音を消した進軍、さらに今川義元の軍を分散させ、盛重の首によって敵本陣の特定を重ねてみせた。奇襲をかけると皆の前で宣言した信長の上空を、鳶が低く飛ぶ。勝利を確信した信長の「天運は我にあり」の声に震えた。

 また、義元が己の陣地に踏み込むまで、信長が待ったことで、初回で描かれた道の整備も機能しただろう。戦の帰り道、小一郎が口にしたように、信長は決して“運”だけで勝ったわけではないと導き出す脚本である。

 小一郎と藤吉郎の父の仇討ちを並行して見せたことも新しい。信長の進軍と、泥臭い兄弟の仇討ちを交錯させながら、同時に兄弟の絆を強固にする戦場シーンは、これまでにない桶狭間の戦いだった。


 そして、戦後の評定シーン。藤吉郎は足軽組頭として「秀吉」の名を賜り、正式な武士となった。小一郎はその知恵を高く買われ、信長から近習へと命じられる。しかし小一郎はなんとこれを断った。そして「褒美は銭で」とらしい言葉とともに、自ら道を切り開く殿と、また兄の意志の強さを称え、「わしは兄に従い、兄と共に殿にお仕えしとうござります」と笑顔で力強く宣言。“最強の補佐役”、そしてバディが誕生した瞬間だった。

 この時、信長は弟・信勝(中沢元紀)から命を狙われたことを思い出していた。そして、藤吉郎(秀吉)が盗もうとしていた草履を、秀吉と小一郎に片方ずつ投げ渡す。「草履は片方だけでは何の役にもたたん。互いに大事にせよ」の言葉とともに。満面の笑みで「大事にいたしまする!」と返事する秀吉と小一郎に、市が「調子のよい猿たちじゃな」と笑みを浮かべた。猿ではなく猿“たち”。個人の才覚だけでなく、二人三脚の兄弟の補完関係を信長も認めたラストが、彼らのこれからの快進撃を予感させる。また、兄弟といえば、信長と市の兄妹も。鍵となる“兄弟(妹)”関係を見守りたい。

■天才軍師・竹中半兵衛に菅田将暉。今後も続々、気になるキャストが登場

 「尾張編」を終え、物語は秀吉の出世街道が本格化する「美濃攻略」へと進む。第5話には、秀吉と出世争いを繰り広げる、大東駿介演じる前田利家が登場。さらに稀代の天才軍師として知られる竹中半兵衛に、主演の仲野太賀とは旧知の仲として知られる菅田将暉が発表された。ほかにも今後の登場キャストとして、黒田官兵衛に倉悠貴、松永久秀に竹中直人、浅井長政に中島歩、明智光秀に要潤、武田信玄に高嶋政伸(「高」は「はしごだか」が正式表記)、斎藤道三に麿赤兒など、数名をピックアップしただけでも、想像しただけで上がる名前が並ぶ。また兄弟を取り巻く女性陣として、直や寧々(浜辺美波)に続き、慶(吉岡里帆)も登場してくる。

 2匹の猿から「天下一の兄弟」へ。戦国大河に現代的なバディドラマの熱さを併せ持つ『豊臣兄弟!』はまだまだ始まったばかりだ。(文:望月ふみ)

 大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、NHK総合にて毎週日曜20時ほか放送。

引用:大河ドラマ『豊臣兄弟!』インスタグラム(@nhk_toyotomi)

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