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「続編ありきで制作」 2部作前提の映画が増えた背景

映画

宮部みゆきの小説を2部作で映画化した『ソロモンの偽証』
宮部みゆきの小説を2部作で映画化した『ソロモンの偽証』(C)2015 「ソロモンの偽証」製作委員会

 映画がヒットしたから続編を制作。かつては、この流れが大半であった。だが最近、『ソロモンの偽証』(前篇・事件 3月7日公開、後篇・裁判 4月11日公開)、『寄生獣 完結編』(4月25日公開)、『進撃の巨人』(8月、9月連続公開)、といった具合に、続編で公開する、と決定してから、映画制作が行われるようになってきた。なぜなのだろうか。関係者に聞いた。

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 開口一番、「原作のボリュームが多いからです」と、関係者は話す。つまり、原作が長いというわけだ。「例えば、『るろうに剣心』は新書版の単行本全28巻、『寄生獣』は全64話で単行本全10巻、『ソロモンの偽証』の原作は宮部みゆきの小説で「事件」「決意」「法廷」の3部構成でそれぞれ文庫版は上下巻の計6冊。3000ページを超えています。これほどのボリュームのものを、1本の映画として約2時間の作品に収めるほうが、正直、厳しいでしょう」

 しかし、2部作前提となると、確実に2回分の鑑賞料金はかかるし、もちろん、劇場へは最低でも2度は足を運ばなくてはいけない。正直、通常の映画より手間が多いことが、前もってわかるわけだ。「2部作だったら観に行かない」「後編はもういいや」…なんて人も少なくはないだろう。

 「まさに、2部作のデメリットはそこです。前編がヒットしないと、後編への盛り上がりが尻すぼみどころか、動員は期待できない。とはいえ、2部作を1本にして4時間超の大作!としたところで、スクリーンを占有する映画は劇場に嫌がられますし、だったら、間をあけてから続編の制作にすればいい、と思われるかもしれませんが、そう単純なことでもないのです」。

 というと?

 「例えば、1作目が大ヒットしたから続きを作って物語を完結させようと思った場合、再度同じキャストを集めてスケジュールを調整しようとするだけでも大変です。それは監督や技術スタッフもしかりで、続編で監督が変わっていたとか、主要キャストが変わっていたなんてことはザラ。同じメンバーを集めたものの、どうにも上手くまとまらず、続編のはずが、番外編になってしまった作品もあるほどです。また、メインキャストが子どもの場合、子どもの成長は早いですから、続編の設定が数年後ならまだしも、数週間後や数ヵ月後だったら目も当てられません。だからこそ、2部作前提にして1度で撮影したほうが、色々とスムーズにいくんです」。

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