『僕らは奇跡でできている』高橋一生 ツッコミつつも、目が離せない変人っぷり

ドラマ『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系/毎週火曜21時)は、意外にも高橋一生にとって民放ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演作となる。今や押すに押されぬ人気俳優となった高橋は、本作で“常識”を軽やかに飛び越える変人を嬉々として演じ、初回から唯一無二の存在感でストーリーをけん引する。
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相河一輝(高橋)は動物行動学を教える大学講師。彼は生き物の研究に没頭する一方で、それ以外のことには無頓着なため、職場のルールを守ることができず、変わり者扱いされていた。ある日、歯の痛みが我慢できなくなった一輝は、恩師の鮫島(小林薫)の紹介で歯科クリニックを受診。そこで女医の水本育実(榮倉奈々)と出会う…。
これまでエリート外科医や議員秘書、青年実業家など、さまざまなキャラクターを演じてきた高橋。満を辞しての主演作で彼が演じるのは“常識”や“普通”という言葉が一切通用しない変わり者の大学講師だ。劇中では、通勤途中で昆虫を見つけ夢中で観察し続けて仕事に遅れたり、歯の痛みを覚えて訪れた歯科クリニックで、育実に治療の隙を与えないほど一方的にしゃべりまくったりと終始、一輝の変人っぷりがさく裂する。
大学の講義では学生に向けて「シマウマの模様はなぜきれいな白黒なのか?」と出題。一輝は学生の発表をニコニコしながら夢中で聞き入る。全員の発表が終わったところで、答えを知りたい学生が「正解はなんだったんですか?」と質問すると、一輝は弾ける笑顔で「わかりません」と一言。
「わからんのかいっ!」とツッコミつつも、一輝の変わり者ぶりを許容できてしまうのは、高橋の飄々(ひょうひょう)とした存在感と軽やかな演技。こちらの想像の斜め上を行く一輝の言動と穏やかな笑顔に、“常識”や“普通”に凝り固まった頭と心が優しく解きほぐされるような感覚を味わった。
次週、一輝は受講生を連れて、山中にフィールドワークへ。今度はどんな言動で、常識を飛び越えていくのか目が離せない。(文:スズキヒロシ)