菊地凛子『獣になれない私たち』 “獣キャラ”の本領発揮はこれから?

女優の新垣結衣が“空気読みまくり”“物分かり良すぎ”なヒロインを演じるドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系/毎週水曜22時)。公私を問わず全方位に気を配る主人公と対照的なキャラクターとして登場するのが、菊地凛子演じるデザイナーの呉羽。ドラマが中盤に向かって波乱の展開を迎える中、今後は彼女の存在が物語の台風の目になりそうだ。
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第3話。晶(新垣)の部屋に彼氏の京谷(田中圭)がやってきた。同居中の元カノ・朱里(黒木華)に「早く引っ越せ」と要求したところ暴れられてしまい、晶の部屋に泊まりに来たのだ。一方、恒星(松田龍平)の元には札束を持った男が粉飾決算へ加担するように迫ってくる。さらに訪ねてきた叔父からは“行方不明になっていた兄が東京にいるらしい”と告げられる。
呉羽は最近まで恒星と付き合っていたものの別の男性と結婚。第1話では、呉羽が恒星にあっけらかんと結婚したことを告げるシーンが描かれる。さらに第2話では恒星が呉羽を“直感で生きる生き物”などと表現。そして第3話では、傍若無人な社長に対抗するため“強そうな服”を買い求めにきた晶のために、デザイナーの呉羽が直々に服をコーディネートする。さらに、朱里との同居問題について話し合う晶と京谷の間に割って入り、京谷に対して「要は、どうしたいかって話。アンタが」と言い放ち、晶に助け舟を出そうとする(も失敗)。
晶は言うまでもなく、兄へのコンプレックスを抱える恒星や、朱里の問題に悩む京谷など、なにがしかの闇を抱えるキャラクターが多数登場する本作。その中で、社会的なプレッシャーやストレスから解き放たれたような呉羽の自由すぎる言動は、ドラマのストーリーに漂う緊張感をうまく緩和してくれる。2010年の『モテキ』以来となる地上波民放ドラマへのレギュラー出演となる菊地の、“ハリウッド女優”という大仰なイメージを感じさせない、肩の力を抜いた佇まいが、呉羽のキャラを一層引き立たせる。
しかし! 第3話のラスト、呉羽は京谷の唇を奪うという暴挙に。晶と京谷の関係に、いきなり割って入ってきた呉羽が、今後どんな波乱を巻き起こしてくれるのか!? 視聴者の想像を超える自由すぎる展開に期待したい。(文:スズキヒロシ)