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竹内まりや、デビュー40周年 その魅力が未だ色あせないワケ

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 浮き沈みの激しいこの音楽業界の中、40年も第一線で活動してきた彼女の特殊さをもう1つ挙げるとしたら、色褪せることのない楽曲だろう。2、30年前のナンバーでも、中で歌われている心情がありありと目の前に浮かんでくるほどリアルだ。それは、彼女の描く歌詞世界が“世相や流行を描いたものが少ない”からではないか。

 そこには、今流行りのスポットやガジェット、レジャーはほとんど登場しない。固有名詞を多用することで時代性を反映し、多くの人の共感と支持を得た松任谷とは対照的に、聴いていて“今の時代”を感じることは少ない。だが、人間のコアな心情をシンプルに描いた彼女の歌からは、どの時代も共有できる“私=主人公”が浮かび上がってくる。

 許されない恋をしている私、駅で昔の恋人を見かけてふと心を揺らす私、長い結婚生活で恋心も忘れてしまったけれどパートナーを大切に思う私…彼女の曲に描かれた感情はどれもリアルで、普遍的。だからこそ何十年たっても聞く人の心を揺さぶるのではないだろうか。

 音楽の楽しみ方は人それぞれだが、ライブでしか得られないものがあるということを、この映画を観るとしみじみ実感する。ライブで歌う竹内の姿はとても楽しそうで、とてもチャーミングだ。貴重な山下とのデュエットシーンも収録されており、前出の“プロデューサーであり夫婦”という2人の関係性も垣間見える。ライブ活動の少ない竹内だからこそ、音源とはまた違った彼女の魅力を知ることができる貴重な機会と言えるだろう。(文:川口有紀)

 映画『souvenir the movie~Mariya Takeuchi Theater Live~』は12月7日まで、2週間限定公開中。

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