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俳優・三浦春馬さん 表現者としての才能を映画・ドラマで振り返る

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三浦春馬さん
三浦春馬さん クランクイン!

 7月18日に亡くなった俳優・三浦春馬さん。1997年、7歳でNHK連続テレビ小説『あぐり』で子役としてデビューして以降、映画・ドラマ・舞台と数多くの作品に出演を重ねた。等身大の青年像から奇異なキャラクターまで変幻自在に演じ、その才能は誰もが知るところだろう。4月に30歳を迎えたばかりで短い生涯を閉じたが、作品のなかで輝き続けている。少年から大人の男性に、そして幅の広いキャラクターで、いろいろな顔を見せてくれた三浦さんに出会える映画・ドラマを振り返ってみたい。

【写真】笑顔の三浦春馬さん インタビューカット(2019年撮影)

 三浦さんが映画初主演を飾ったのは、2006年4月に公開された『キャッチ ア ウェーブ』。「僕らは出会ってしまった。一生を変える、ひと夏に」というコピーが躍る青春映画で、主人公の佐々木大洋を演じた。湘南の海を舞台に、仲間たちと伝説のサーファー・デューク川原(竹中直人)のもとでサーフィンを教えてもらい、のめり込んでいく高校生を演じた三浦さんも当時16歳。等身大でサーフィンに向き合い、ややあどけなく、初々しい表情をフィルムに刻んだ。

 一方、ドラマでは同年秋クールで、志田未来主演『14才の母』(日本テレビ系)に出演。名門私立女子中学に通う一ノ瀬未希(志田)の恋人・桐野智志を演じた。14歳で妊娠し、出産するという内容は、センセーショナルなテーマとして耳目を集めたばかりでなく、命の尊さや愛の在り方について視聴者に訴え、第44回ギャラクシー賞も受賞。妊娠を打ち明けられ、動揺していた智志が、未希と子どものために、次第に強い意志を持ち成長していく姿が、三浦さんの真摯(しんし)な演技が感動を呼び、ブレイクのきっかけともなった。

 続く2007年、新垣結衣とW主演した恋愛映画『恋空』で、三浦さんの知名度は一気に広がる。携帯を拾ってもらったことから交際が始まった、高校生カップルの美嘉(新垣)とヒロ(三浦さん)の物語で、元カノからの嫌がらせや、妊娠騒動などさまざまな事件がふたりを襲い、別れと出会いの日々が描かれる。困難を乗り越え、絆を強めていくふたりの姿にティーンたちが熱狂、「泣ける」と話題になり、興行収入39億円を超える大ヒットを記録。新垣の可憐(かれん)さもさることながら、金髪に爽やかな制服姿で彼女を一途に守ろうとするヒロ役の三浦さんのたたずまいに注目が集まり、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞に至った。

 人気を決定づけたのは、2008年に『ごくせん 第3シリーズ』(日本テレビ系)を経て、単独初主演となったドラマ『ブラッディ・マンデイ Season1』(TBS系)だ。三浦さん演じる天才高校生ハッカー“ファルコン”が、ウイルステロ組織「ブラッディ・マンデイ」に立ち向かうアクション・サスペンス。これまでの日本ドラマになかったようなスピーディーさ、予測不能な展開、吉瀬美智子・佐藤健・成宮寛貴という華やかな共演者とのやり取りに虜となる視聴者が続出し、2年後には『Season2』も放送された。カリスマハッカーとしてパソコンを操り、事件解決にあたる三浦さんの表情は、これまでの青春系作品とは一味異なる魅力を放ち、当たり役ともされた。

 そのクールさから一変、三浦さんのやさしい笑顔が印象に残る映画で外せないのが2010年公開の『君に届け』。見た目が暗いことから「貞子」のあだ名を持つ、多部未華子演じる黒沼爽子に、偏見を持つこともなく、明るく接していくクラスの人気者・風早翔太を嫌みなく爽やかに演じた。超人気コミックの映画化とあり、公開前は原作ファンからの期待も高かったが、やさしくけなげな性格の爽子の本質を誰よりも早く見抜き、押しつけがましくなく寄り添っていく翔太を体現した三浦さんと相手役の多部に絶賛の声が寄せられ、ふたりはゴールデン・カップルの異名もついた。

 三浦さんと多部は、その後、4年後にドラマ『僕のいた時間』(2014年、フジテレビ系)、さらに4年後の映画『アイネクライネナハトムジーク』(2019年)で共演。4年ごとに共演していることもあり、『アイネ…』の舞台あいさつで、2人は「オリンピックのような関係だよね」と話し、と多部は「次はまた4年後にまたご一緒できたらうれしいなと思います」と語っていた。

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