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製作費は当時最高の240億円! 『タイタニック』はいかに狂った映画だったか<前編>

映画

●東京ドーム3個分以上もある巨大なスタジオを建設!

 実際に起こった世界最大級の海難事故を映画で再現するにあたり、何よりもリアリティを重視したかったキャメロン監督は、実物大のタイタニック号の外観のセットを作ることを提案。予算を握るスタジオの重役たちに「ミニチュアを作って撮影するよりも、実際に作った方が安くできる」と口説き落とした。

 そして総工費4000万ドル(約48億円)以上をかけ、メキシコのロザリト・ビーチに新しいスタジオを建設。東京ドーム3個分以上もある巨大なスタジオでは、ほぼ実物大のタイタニックのレプリカが建造され、それを浮かべる世界最大の野外タンクに加え(なんと移動式!)、屋内にも巨大なタンクが作られた。その建築期間はたった100日間! なんとも恐ろしい話であるが、巨大な海洋シーンを撮影するためになくてはならないスタジオとなり、その後『マスター・アンド・コマンダー』や『パール・ハーバー』などの大作映画でも使用されている。

●完璧主義ゆえのこだわりすぎな撮影(1)

 映画の大きな見どころである出航シーンの撮影では、予算や環境の都合で、船の「右側」がセットとして作られたが、史実ではタイタニックは船の「左側」を接岸させて出航している。そこで史実通りにしたいキャメロン監督は、看板の文字や衣装、車のハンドル、セットや小道具など、すべてを反転させて作成。さらに俳優の髪型や利き手にいたるまでを左右逆にして撮影した後、フィルムを反転させるという非常に手間のかかる手法が用いられた。まさに完璧主義者としても知られる、キャメロン監督のこだわりを象徴するシーンである。

●完璧主義ゆえのこだわりすぎな撮影(2)

 再現されたのは船の外観だけではない。実際のタイタニック号の内装についてはあまり公表されていなかったが、当時撮影された数少ない内部写真や姉妹船のオリンピック号の資料写真などを駆使して忠実に再現。大量のカーペットもわざわざ当時の染料を復元した特注品が用いられた。さらにデッキチェアや窓ガラス、ナイフやフォークなどの食器類一式、乗客の荷物や救命胴衣にいたるまでを完璧に復元。用意された船舶用の小道具は数万個に及んだ。

 ちなみに2012年、沈没から100年という節目の年に本作の3D版が公開されたが、1ヵ所だけ修正が施された。それは、クライマックスシーンに映りこむ星の位置。ある天文学者から正確ではないと指摘されたことがきっかけで、キャメロン監督はその天文学者に対し「1912年4月15日午前4時20分の星図を教えてくれたら、映画を修正する」と約束し、それが実現したというわけだ。

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