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鈴木亮平、演技の振れ幅を生む「声」 頭(ヘッド)がどれもハマり役!

映画

◆“声”で感情の複雑なグラデーションを表現

 10月公開の『燃えよ剣』(原田眞人監督)は、司馬遼太郎の歴史小説を映画化した幕末もの。主人公の新選組副長・土方歳三を岡田准一が演じ、鈴木は新選組局長の近藤勇にふんする。ここで演じる頭(ヘッド)も、それに相応しいカリスマ性を十分に放ちながら、しかし『孤狼の血LEVEL2』とも『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』とも全く違う個性を見せる。

 新選組のトップでありながら、実質的に組織を動かしているリーダーは土方であることを自覚している近藤。おおらかで、周囲がついていきたくなるリーダーとしての空気をまといつつ、土方を「トシさん」「土方くん」と呼ぶ声に、親しみと、じわりコンプレックスが滲(にじ)む。それを鈴木はとても自然に感じさせるのだ。近藤役のイメージにぴったりな体格も強みではあるが、やはりここでもその声が伝える力は大きく、近藤が土方と最後に交わす言葉の“声”には、悲哀と解放、複雑なグラデーションを含ませる。


 それぞれの頭(ヘッド)役を強烈なエネルギーで演じながら、『孤狼の血 LEVEL2』と『燃えよ剣』は、主演ではない点も興味深い。ときに主人公とは別のメインキャラが、作品全体を食ってしまうことがあるが、鈴木の生むキャラクターは、決してそうはならない。全開で振り切れているようで、作品の中で周囲を引き立たせながら共存している。そこには、鈴木自身の持つ聡明さも根っこにあるだろう。さらに紹介した3作では、“声”での表現の豊かさも証明してみせる。芸歴15年目を迎え、30代後半となりますます脂の乗った鈴木亮平を、リアルタイムで楽しめて幸運だ。(文・望月ふみ)

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