坂口健太郎、視聴者を熱狂させる“演技の魅力” 『おかえりモネ』の次は“火曜日の癒やし”に!?
現在放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合/月曜~土曜8時ほか)において、坂口健太郎演じる“菅波先生”こと菅波光太朗が絶大な人気を集めている。ドラマに彼が登場すると、「#俺たちの菅波」というハッシュタグがSNSを席巻。ヒロイン、永浦百音(清原果耶)とのもどかしい恋は、私たち視聴者をハラハラとさせ、ついに結ばれた時には、ネット上で歓喜の声が上がった。“菅波先生”がこんなにも熱狂を呼んだのは、役柄の愛らしさはもちろんだが、“俳優・坂口健太郎”の力量も大きいだろう。そこで本稿では、坂口のこれまでの歩みを振り返りつつ、その魅力をひも解いていきたい。
【写真】スーツ姿がすてき! 新ドラマでの坂口健太郎
■“色気がある俳優”坂口健太郎
坂口と言えば、これまでは“妖艶で色気がある俳優”という印象が強かった。たとえば、2016年に出演した『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)で演じた中條晴太。彼は、市村小夏(森川葵)を好きでいながら、彼女が曽田練(高良健吾)へ好意を抱いていることを知っており、その恋を応援するという役柄で、謎めいていて何を考えているのか分からないキャラクターだった。ただ、妙な色気があり、その“影”に惹(ひ)きつけられた。
その翌年に出演した『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)のKEY(鍵谷春樹)も、晴太と同じくミステリアスな役柄だった。ただ、晴太は柔らかなイメージだったのに対し、KEYは冷酷な毒舌モデル。しかし、両役ともに独特の雰囲気がある。それはきっと、坂口が演じるからこそ醸し出せる空気だ。183センチの長身に、涼しげな目元。一見近寄りがたく見えるが、時折見せるもろさとのあんばい…そんな唯一無二の魅力を持っている坂口は、彼にしか演じることができない役柄が多くある。
前述の2作のほかにも、映画『ヒロイン失格』(2015)や、『俺物語!!』(2015)など、女性を魅了するキャラクターが似合っていただけに、恋愛下手で不器用な『おかえりモネ』の菅波は、正直意外な役柄だった。しかし、ドラマが始まると、これまでの妖艶さは封印。奥手でさえないが、そこがキュートに見える愛らしい演技を見せていた。本作での好演が、坂口の役者としての幅を広げたのは言うまでもないだろう。
じわじわと近づいていく百音との距離。二人の恋を陰ながら見守る“森林組合”の人々のように、私たちも固唾(かたず)をのんで菅波と百音を見守った。不器用ながらも、百音に思いを伝えようと頑張る姿勢。少しずつガードを解いたことが伝わるリラックスした表情など、菅波には、坂口が繊細に役に向き合っているからこそ生まれる“リアル”さがある。だからこそ、人々はこんなにも“菅波先生”に感情移入してしまうのだろう。