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『ホーム・アローン』監督が『ハリー・ポッター』キャスティングで気を遣ったこと

映画

映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)公開から20周年
映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)公開から20周年 写真提供:AFLO

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 J・K・ローリングの大ベストセラーを原作に映画化した『ハリー・ポッター』シリーズ。『ホーム・アローン』でもメガホンをとったクリス・コロンバス監督は、同作で得た苦い教訓を『ハリー・ポッター』のキャスティングに活かしたという。

【写真】ビジュアル様変わりした人も 『ハリー・ポッター』子役たちの昔と今

 今年で第1弾の公開から20周年を迎えた『ハリー・ポッター』シリーズ。一方、公開から30年以上経て今なお人気のファミリー映画『ホーム・アローン』とは、共通点がある。どちらもシリーズの最初の2作品でメガホンを取ったのは、ファミリー映画の名手クリス・コロンバスだ。

 世界中に熱狂的なファンを擁する小説を映画化するとあって、主人公ハリー役にピッタリの子役を見つけることは、コロンバス監督の重要かつ必須の難題だったことは想像に難くない。イギリス人で、まだ無名で、いつの時代にも通用するような少年…と、条件はたくさんあったようだが、コロンバス監督にはもう一つ、大切な要件があったそう。

 それは、両親がしっかりしているということ。

 『ホーム・アローン』の大ヒット後、主役を務めたマコーレー・カルキンが両親と決別したのは有名な話。本作で大ブレイクしたマコーレーは、学校に行く時間もないほど次々大作に出演させられ、さらに両親が破局した際には、マコーレーが稼いだギャラを巡って醜い裁判にまで発展した。

 この苦い経験を元に、『ハリー・ポッター』のキャスティングでは、子役だけでなくその家族にも目を配り、子どもを強烈にプッシュする、ステージペアレンツを避けたそう。

 幸運なことに、この条件はハリーに抜擢されたダニエル・ラドクリフにこれ以上ないほど合致した。BBCドラマ『デビッド・コパーフィールド』で、主人公の少年時代を演じたダニエルを見た監督が一目で気に入り、スタッフにコンタクトを取るよう頼むと、学業に専念させたいからという理由で両親に断られたのだ。

映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)のクリス・コロンバス監督とダニエル・ラドクリフ 写真提供:AFLO
 ダニエルの両親(父は著作権エージェント、母はキャスティングディレクター)は、もしハリー役に決まったら、この先7作品(『ハリー・ポッターと死の秘宝』がPART1とPART2に分けて公開されたため、実際は8作品となった)に出演し、多くの時間を米ロサンゼルスで過ごさなくてはいけないことを懸念した。

 それでもコロンバス監督はダニエルを諦めきれず、同作のプロデューサーが劇場で偶然ダニエル親子と会った時に説得に成功。ついにオーディションにつなげることができた。オーディション映像は公開されており、初々しくも、生き生きとしたダニエルの姿を見ることができる。

 契約の際には、まずは2作品とし、イギリス国内で撮影を行うこと、そしてダニエルを保護する条件が細かに記された。

 果たしてダニエルは、『ハリー・ポッター』で得たとてつもない名声に苦労することになるが、それでも俳優として手堅いキャリアを築いている。一時はアルコール依存症で苦しんだが、両親の支えもあり立ち直った。ハリー役で得た資産は両親がしっかりと管理し、仕事をしなくても一生暮らしていけるだけの額に上るが、過去にはほぼ預金に手を付けていないとも語っている。

 コロンバス監督は2013年のインタビューで、当時ネガティブな話題が取りざたされていたマコーレーへのアドバイスを求められ、「ダニエルを見習うべき。パーティーやドラッグからは距離を置き、いい仕事をするために人生を捧げている」と称賛。子役から映画監督になったロン・ハワードのように、「いつの日かすばらしい映画を監督する日が来るかもしれない。彼はすべての子役が尊敬すべき存在だよ」とコメントしている。(文・寺井多恵)

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