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鈴木保奈美、20代の自分に伝えたいメッセージ「ちゃんとした、良い人じゃなくてもいい」

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「理想と現実」という考え方はあまりしない

――2度目の挑戦となる本作は、70年前のアメリカを舞台とした作品ですが、現代に通じる部分を感じたそうですね。

鈴木:あまり認めたくないことではありますが、やはり年を取ることのネガティブな意味や、格差などが色濃く描かれていると思うんですよね。女性の描き方、男性の描き方に定型的な印象もありますが、それが好ましいか好ましくないかにかかわらず、現実としてはそうであり、残念なことに70年経ってもあまり変わっていないことを強く感じます。ただ、そうした背景のある作品に、演出家のショーン・ホームズさんがどういった視点を持ち込むのかは、とても楽しみにしているところです。

――ご自身が演じるリンダという女性について、シンパシーを感じる部分はありましたか。

鈴木:理解はできます。しかし、時代的に、家庭にしか女の人が生きる道がないとすれば、夫を信じることが自分の生きるすべかもしれないし、ただ純粋に夫のウィリーを愛しているためなのかもしれないし。夫婦の関係性も、リンダにとって居心地の良いものなのか、悪いものなのか、それに対して、リンダ自身が変えたいと思っているのか、変えなくて良いと思っているのか、リンダとして彼らにどうアプローチしたら良いだろうということは考えます。リンダはウィリーの妻であり、二人の息子の母で、一見、男たちの暴走を一生懸命調整しようとしているように見えますが、逆に『役割』ではない、リンダ自身が何なのかがまだ見えていない気持ち悪さがあるので、それを見つけていきたいです。


――本作の登場人物たちは、思い通りにならない現実に何度も直面します。ご自身は理想と現実の違い、ままならないことがあった場合、どんな風に向き合っていますか。

鈴木:私自身は「理想と現実」という考え方をしたことがあまりない気がします。だから、理想と乖離(かいり)しているみたいな感覚はあまりない。私のイメージする理想って、本当に夢のような、ありえないもので。例えば、いつも「JUJUさんか絢香さんかいきものがかりの吉岡(聖恵)さんのように歌がうまくて、ミュージカルにバンバン出られたりしたらいいな」なんていう夢はありますけど(笑)。

――舞台に向けて、準備としてやっていることはありますか。

鈴木:今回特別にやっていることではありませんが、いつどんな役でも、要求されるままに体が動けたらいいなと思い、日頃からヨガやストレッチはしています。あとは、現場に迷惑をかけない体力と。もともとあまり病気もしませんし、基本的に丈夫だと思うんですけど、やっぱり「ちょっと疲れが出ているかな」などと気付く今日この頃ではあります。いくら食べても、飲んでも、動いても、疲れない体になるというのは、理想ですね(笑)。

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「別に変な人だと思われてもいいや」と諦めがつくよ――20代の自分にメッセージ

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