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和久井映見「また現場で出会えるように」 情熱を持ち続け35年目の女優活動

映画

◆スタッフの作品への思いもパワーに変えて

 渚先生の“軸”でもある仕事への情熱や強さも、和久井と共通している。

 「かつては目の前のことに一生懸命すぎて、周りがちゃんと見えていないこともありました。それがいろんな方たちと仕事をしていくなかで、自分の年齢も上がってきて、少しずつ変化をしてきました。でも“がむしゃら”になるのは変わらないですね。若いときとは違うかもしれませんが、今の自分がやれることにがむしゃらになる」と、変わらぬ情熱をのぞかせる。さらに、チームの力が謳(うた)われる本作同様、作品作りもスタッフ、チームの思いから得る力が大きいと話す。

『劇場版ラジエーションハウス』 (C)2022 横幕智裕・モリタイシ/集英社・映画「ラジエーションハウス」製作委員会
 「今はご時世もあって難しいですが、以前はクランクアップすると打ち上げがありました。私たちは普段、メイクさんや衣装さんや一部のスタッフの方とはすごく接点があるのですが、ごあいさつはできてもあまりお話できる機会のない方もいます。そのまま最終日を迎えて、打ち上げでごあいさつを聞いたときに、初めてどれだけの思いを持ってその作品に関わられていたのかを知ることもあります。『ああ、そういう現場で仕事をさせてもらっていたんだ』と」と、そのタイミングで知って、ハッとしてしまったこともあるそうだが、「その積み重ねで、そうした思いを抱いて、『またちゃんと頑張らないと』と思うんです」と次へつなげてきた。

 さらに「またその方たちと出会えるように」との気持ちがパワーとなり、実際に再会することもある。「自分の年齢も上がってきていますが、それこそ二十歳そこそこの現場でご一緒した方とまた会えたりするんです。それぞれの人生を歩んだ姿で再会する。うれしいですよね。現場にいることは、私にとっての大きな喜びです」。

 “現場にいることがうれしい”と頬を緩めながらも、まっすぐに語る和久井には、たおやかな強さがあった。(文:望月ふみ 写真:松林満美)

 『劇場版ラジエーションハウス』は公開中。

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