『ジュラシック・ワールド』コリン・トレボロウ監督、大作シリーズ継承のポイントは“バランス” 『スター・ウォーズ』の教訓も
2018年に公開された前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』から4年。最新作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』をひっさげ、待望の来日を果たしたコリン・トレボロウ監督が、レガシー・キャストを迎えたシリーズ最後の作品に込めた思い、さらには絶大な人気を誇るフランチャイズ映画を一身に背負うことの難しさ、醍醐味をエネルギッシュに語った。
【写真】トレボロウ監督が超気に入った羽毛恐竜ピロラプトル
■レガシー・キャストも壮絶なアドベンチャーに挑戦!
1993年、マイケル・クライトン原作のSF小説をスティーヴン・スピルバーグ監督が映像化した『ジュラシック・パーク』から約30年。長きにわたったシリーズも本作が完結編となり、これを祝福するかのように、現在の主役クリス・プラット(オーウェン)とブライス・ダラス・ハワード(クレア)に加え、当時のレガシー・キャスト、サム・ニール(アラン)、ローラ・ダーン(エリー)、そしてジェフ・ゴールドブラム(イアン)が勢ぞろいした。しかも彼らは、顔出し程度の出演ではなく、悪徳会社バイオシンの不正を暴くために自ら体を張って調査に乗り出す主役級の活躍ぶり。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より (C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved
キャストが物語にどう絡むか、「スティーヴン(・スピルバーグ)と徹底的に話し合った」というトレボロウ監督。「本作は、島を出て、広い世界に解き放たれた恐竜たちと人類の行く末を描いていますが、またしても科学の力で自然界の力を捻じ曲げてしまうようなことがあれば、人類も恐竜と同じように絶滅してしまうという教訓がテーマ。だからこそ、2015年に始まった『ジュラシック・ワールド』の物語を単に終わらせるのではなく、サーガに登場する主要キャスト全員で語るべき物語にしたかったのです」。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より (C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved
そして今回は、“ジュラシック”をテーマにした2019年の短編映画『バトル・アット・ビッグ・ロック』を共作したエミリー・カーマイケルも脚本に参戦している。「これまでエミリーにとって私は、先生的な立場だったんですが、本作で同等のパートナーになれた感じがしました。夏の間、来る日も来る日もストーリーについて2人で話し合ったのですが、彼女が加わることによって、非常に新しい視点が生まれたと思います。例えば、『ジュラシック・パーク』のさまざまなキャラクターの言葉遣い。イアン博士の独特の間やエリーの明るいけれど頑固なところなど、一人一人のパーソナリティーを掘り下げながら、彼女はキャラクターに合った真実味のあるセリフで本作をさらにパワーアップしてくれました」。