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森久保祥太郎、先輩の一言が声優活動の指針に 平均点を狙うのではなく「極端な芝居をするようになった」

アニメ

■変化する声優界 分散収録で「先輩の芝居をダイレクトに見られない」

――声優として20年以上活動していくなかで、業界の変化を感じることはありますか?

森久保:僕が携わってから27、8年になりますが、かなり変わりましたよ。まず、映像チェックの仕方。以前は当日にスタジオでチェックしてました。それからビデオテープをもらって家でチェックするようになり、それがDVDになり、今ではデータで送ってもらえるようになったことで、出先でも映像を確認することができるようになりました。

――便利な時代になった。

森久保:ですね。あとは仕事の仕方も大きく変わっています。僕がデビューした頃は、だいたい10時から15時までアニメや外画吹き替えの収録が1本あって、16時から21時までにもう一本あるっていうのが基本でした。それで1日の仕事が終わることが多くて、だいたい飲みに行っていました(笑)。

それが今は20時から生配信の番組が仕事として入るなんてこともあって。若い子たちも忙しくて、一緒に飲みに行く機会も少なくなりました。特にコロナ禍になってからは、ますますそういうことができなくなっています。

――収録環境や仕事の幅も大きく変わっているんですね。

森久保:そうですね。コロナ禍前後でデビューした若い子たちは、ここからがちょっと大変だろうなと心配しています。というのも、今の多くの現場は分散収録になっていて、先輩の芝居をダイレクトに見られないんですよね。現場で成長することもあるのに、今はそれが難しい状況なんです。


――森久保さんも『オーフェン』の現場で学ぶことが多かった。

森久保:はい。当時、同じ事務所の先輩で大変お世話になった、玉川紗己子さんから言われた一言は、今でも僕の芝居の指針になっています。

――その一言というのは?

森久保:ある日の『オーフェン』の収録後、玉川さんと同じ電車で帰ることになったんです。その時はNGもそれほど出さずに収録が終わって、自分が主人公を演じていたこともあって、「頑張っているじゃない」って、ちょっとは褒めてもらえるかなと期待していたんですよ。

そしたら「あなた、NG出さなきゃいいと思って芝居していない?」「よくはないけど間違ってないから、ディレクターもOK出しているだけだよ」ってダメ出しをされまして。もう目からウロコですよね。違うって言われても良いから、平均点を狙いにいくのではなく、自分はこう思いますという芯のある芝居をまずしなさいと教わりました。あの日から、僕はまず、すごく極端な芝居をするようになったんです。そして、そこから修正していく。今もそれが根底にありますね。

――その考え方は、今の声優業界でも求められていること?

森久保:だと思いますよ。本当に玉川さんのおっしゃる通り。正解は一つではないでしょうが、大事なことだとは思いますね。(取材・文:M.TOKU 写真:小川遼)

 『魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編』は、1月18日からTOKYO MXほかで放送開始。

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