つるの剛士、当初は“イクメン”イメージに違和感も…50歳目前でこども心理学を学ぶ大学生になった理由
今でこそ笑みを浮かべながら語るが、当時はかなり心の中で葛藤し、「もし芸能界で自分の席が無くなったとしても、また一から頑張ればいい」と最終的には腹をくくって休みに入ったという。ところが、フタを開けてみたら、つるのは時代を大きく動かした。「休み中、ブログで自分の生活をなんとなく発信していたんです。それが発端となって、“育児休業”(以下、育休)という言葉自体があちこちで広まって…。僕自身は別にセンセーショナルなこととは全然思っていなくて。何ならただのワガママじゃないですか(笑)。自分が休みたいから休みをとっただけなので」と恐縮する。
さらに、「2ヵ月後、仕事に復帰したら、“イクメン”という言葉が一世を風靡(ふうび)し、なぜか流行語大賞に僕が選ばれて、舞台に上あがってあいさつしたのですが、別にイクメンを流行らせたくて育休を取ったわけでもないし、単純に家庭がちょっと不安定で、一度奥さんの気持ちを共有したいと思って始めたことなので…。だから違和感しかありませんでした」と振り返る。ただ、これだけ自分の行動が話題になった事実を受けて、育休が今、物すごく求められていることを少なからず実感することに。
いわゆる本人のあずかり知らぬところで、イクメンの先駆者的存在になってしまったワケだが、ここで、「求められていることに応えたい」という彼の誠実さが新たに発動する。
「仕事に復帰して、その6年後に5人目の子どもが産まれるんですが、それまでにたくさん講演会に呼んでいただいていたんですね。どこに行ってもイクメン、イクメンと言ってくださって、神輿を担いでくれるんです。『そんなつもりはないんですよ』と言いながらもここまで皆さんに言っていただけるのなら、逆転の発想で、イッチョやってみようかと思って。5人目ができた時に、『僕、イクメンやってみます!』と宣言して、また育休を取ったんです」。