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いとうあさこ、好奇心とエネルギー旺盛な50代 日々を楽しむ秘訣は「忘れること」

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◆『ババア』と呼ばれ「やった!」 その理由とは?



 劇団『山田ジャパン』への参加もすでに15年を超え、いとうにとって人生の大切な一部となっている。『山田ジャパン』は、お笑い芸人から脚本家・演出家に転向した山田能龍を中心に旗揚げされた劇団だ。2008年の旗揚げ時期について、いとうは「もともと私は舞台が大好きで、演劇をやってみたいなと思っていました。ちょうどそんな時期に、知り合いだった山田が『劇団を作るために、女優を探している』という話を聞きつけて。引き寄せられるように、『山田ジャパン』の活動をスタートさせました」と回想。

 続けて「基本的にはコメディの劇団、ということで、そこも『ぜひやりたい』と思った理由ですね。私は幼少期からずっと、伊東四朗さんやいかりや長介さんに憧れていて、コメディの舞台に立ちたいと思っていました」と自身の夢が詰まっているような場所でもあるという。『山田ジャパン』は定期的に公演を行なっており、いとうは「山田の書く脚本には、コメディでありつつ、家族や人との縁など、人生が込められていて。考えさせられたり、心に染みるなぁと思うようなことがよくある。『山田ジャパン』の舞台に参加している期間は、自分自身、すごく心が豊かになっているなと思います」と充実の時間にもなっている。

山田ジャパン2024年3月公演『愛称←→蔑称』公演ビジュアル
 3月7日からは、『山田ジャパン』の新作舞台『愛称◆蔑称』が幕を開ける。ある田舎の学校に、東京都心から引っ越してきた母親から「あだ名を禁止にしてください。この学校、地域のリテラシーは遅れている」というクレームが入ったことをきっかけに、議論が巻き起こる様を描く本作。いとうは、田舎の学校の教頭・大山佳奈役を演じる。

 昨今、あだ名や呼び捨ては禁止、“さん付け”でクラスメイトを呼ぶように指導する学校も増えている。いとうは「ウーパールーパーが流行った頃に、“ウーパー”や“ルーパー”と呼ばれたこともありましたが、私のあだ名は基本的にずっと“あーちゃん”でした。『イッテQ!』に出るようになってから『ババア』と呼ばれるようになって、私は『やった!』と喜んだんです。自分にアイデンティティができたと感じたんでしょうね(笑)。でもそれは立木(文彦)さんのナレーションもそうですが、番組を作っている皆さんの愛を感じるから。愛情のある『ババア』を浴びているわけです。知らない人から『ババア』と呼ばれたら、『なんだよ!』となりますからね(笑)。あだ名によって嫌な思いをした人もいっぱいいるだろうし、とても難しい問題だなと思っています」と“あだ名禁止問題”に思いを巡らせ、「この舞台の中では、いろいろな意見が交わされていきます。そこで『これはいいよね』『これは違うよね』というものがつかめていけたら楽しいなと。きっとお客様にとっても身近な題材だと思うので、一緒に討論会に参加しているような気持ちで楽しんでいただけたらうれしいです」と期待していた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
 
 山田ジャパン 2024年3月公演『愛称◆蔑称』は、3月7日〜15日東京・六行会ホールにて上演(全14回)。

※『愛称◆蔑称』の◆部分は「左右方向矢印」が正式表記

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