興津和幸&沢城みゆき、実写映画が大ヒットした『ザ・ファブル』アニメ化への思い
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――実写の後にアニメ化は、かなり珍しいパターンかと思います。役作りにおいて、映像から受けたものを活かした場面はありましたか?
興津:僕は、原作や台本から感じたものを表現しました。実写映画を観て岡田准一さんのお芝居やアクションを「かっこいい!」と思いましたが、そのかっこよさは手塚プロダクションさん(※本作を制作するスタジオ)が作ってくださっているので。少し意識した息遣いをアクションシーンに入れてみたものの、「不要だったらカットしてください」とお伝えしました。
沢城:この作品に限らず、原作という「0」があって、そこからアニメや映画へメディアミックスされていく。なので、私は原作の先生が表現したいものを取りこぼさないように、まずしっかり「0」に集中します。その後に他にメディアミックスされたものにもヒントがあるならと、手を伸ばすことはあります。今回も原作を読んで自分なりに洋子像を掴んでから、実写では木村文乃さんはどう表現したんだろう!? と映画も拝見しました。
どこからどう見ても完璧な美人である木村さんが、洋子のような闊達な内面のキャラクターを演じるという掛け算。興津さん同様、アニメでは美人の部分は手塚プロさんに担っていただいて(笑)、私は良い女ということはあまり意識せずに、伸びやかにお酒を飲めたらいいのかなと。
興津:洋子は好意を持った男性を酔い潰したり、他にもひどいことをしたりするのですが、沢城さんが声を当てると何故か上品に見えるんですよね。そこが「すごいな~」といつも思っています。
(左から)沢城みゆき、興津和幸
――興津さんと沢城さんは、1年間仕事を禁止されたらどうしますか?
興津:好きな時間に寝て、好きな時間に起きる……3日くらいで飽きちゃいそうですね。
沢城:それはお正月休みで十分じゃない?
興津:いや、お正月休みは自分の時間は取れないので……。今年も実家に帰って家族と過ごしたので、1人の時間が欲しい。海でも見に行こうかな。自分で小屋を建てたり、自分の作ったものだけで過ごしてみたいです。この感覚、わかってもらえますか?
沢城:まだわかんないかもなぁ……。
興津和幸
興津:そんな沢城さんは?
沢城:世界一周に決まってるじゃないですか! まずはこの島を出るわ! 世界を見てみたいです。
興津:その目線いいですね。
沢城:でしょ? じゃあ、2人とも世界一周ということで。
興津:2人で旅に出ましょう!
沢城:あれ? 1人の時間が欲しいんじゃなかったの(笑)?
沢城みゆき
――ありがとうございます(笑)。最後に、アニメの放送を待ち侘びている方へ注目ポイントを教えてください。
沢城:この作品をアニメにするのは、本当に至難の業だと思うんです。でも、したいと思った人がいて、すると決めた人がいます。その覚悟が分かるからこそ、皆さんに喜んでもらえる形になったら良いなと私達も懸命に毎週アフレコしています。声の入った『ファブル』も楽しんでいただけますように。アニメにもぜひご声援のほど、よろしくお願いします。
興津:主人公・ファブルはプロの殺し屋ですが、それを演じる僕や他のキャスト陣、制作陣もプロの意識を持って作品作りに取り組んでいます。視聴者の皆さんもぜひ“プロの視聴者”として、盛り上げていただけますと。
沢城:プロとしてどうしたらいいの(笑)? リアタイ?
興津:そう。リアタイしてもらって、たくさん感想をSNSに書き込んでください。「面白い」と言ってもらえることが、何よりも嬉しいので。ぜひともよろしくお願いします!
(取材・文:米田果織 撮影:吉野庫之介)
テレビアニメ『ザ・ファブル』は、日本テレビ系にて4月6日より毎週土曜24時55分放送。
※高橋良輔監督の「高」の正式表記は「はしごだか」