風間俊介、40代の実感はまだ湧かず 『金八』『それでも、生きてゆく』を見返し感じたこととは?
――今回の作品は、「逃げたい」という感情があふれたキャラクターが登場しますが、風間さんは、何かから逃げたいと思うことはありますか?
風間:……書きものとかの締め切りですね。今日も帰ったあとに今日中に出さないといけないものがあるんですけど…。朝の番組をやったりいい人の役をやらせていただくことが多く、ちゃんとしてる人と言われる機会が多いんです。実際ちゃんとしてないわけではないと思うんですけど、僕は目の前のことに向き合うのがめちゃくちゃ得意なんです。現場に行って、目の前で起きていることが同時多発だったとしても、「すげえ、俺タブ何個も開けるんだ!」って自分で思うくらい、目の前のことは大丈夫なんです。
ただ1週間後とかは無理なんです。今じゃなくていいって解釈すると、処理済みのほうに置かれていく(笑)。で、ギリギリになってしまいます。ただ、今やらないといけないとなった時の自分はすごいんです。だからなんとかなっちゃうのでよくないんですよね。子どものころからそうでした。宿題も、やらないで行っちゃってその場でやるか、夏休みの宿題だったら終業式の日に終わらせるか、どっちか極端なんです、計画的が無理(笑)。
――(笑)。話は変わりまして、風間さんは昨年40歳になられました。
風間:まだ実感してないです。40歳だなとは思っているんですけど、変化みたいなものはそんなに感じてないですね。
――憧れる40代の俳優像みたいなものはありますか?
風間:憧れの役者を聞かれたときに基本的に挙げているのはアンソニー・ホプキンスです。初めてアンソニー・ホプキンスを認識したのは『羊たちの沈黙』だったんですけど、あの時、何歳だったんだろう? あれで40とか言われたらびっくりなんだけど(笑)。53歳? よかった、まだチャンスある!(笑)
――(笑)。10年後の地球ゴージャス40周年公演では、よりアンソニー・ホプキンスに近づいた風間さんが見られることを期待しつつ、まずは今回の『儚き光のラプソディ』で二度と見られない風間さんの姿を心に刻みたいと思います。
風間:でも、いかんせん歌に苦手意識が強くてですね…。今回も歌うんだよなぁ~。
伝説的な話がありまして、『クラウディア』で最初の通し稽古をやった時に、3時間を超えちゃったんです。これはまずいとなり、五朗さんに「俊介、申し訳ないんだけど、お前のソロ曲切っていいか?」って言われて、「いいと思います!」と答えました(笑)。切ったことによって、ずっとステージ上で動いているけど、一言もしゃべらないキャラクターになり、みんなの意識がガッと集まって、すごくいい結果を生んだんです。あれは英断だと思う(笑)。今回はどうなることやら(笑)。
(取材・文:近藤タイスケ 写真:高野広美)
地球ゴージャス結成30周年公演『儚き光のラプソディ』は、東京・明治座にて4月28日~5月26日上演。大阪・SkyシアターMBSにて5月31日~6月9日上演。