鶴見辰吾、優等生役に悩み引退も考えた10代 還暦を前に「目指すは元気なジジイ」
鶴見は、今年の12月には還暦を迎える。「どんどん、加速度的に年齢を重ねるのが早くなっていく!」と笑いながら、「60歳を過ぎたら、残された人生はおまけのようなものだと思って。なるべく皆さんが喜ぶことができたらなと思っています」と60代の抱負を吐露。
「自分で言うのもなんですが、俳優ほどいい職業ってないなと思うんです。いろいろな人生を体験できるし、たくさんの人と感動を共有できる。そしてエンタテインメントというのは、心の栄養になるものだと感じています。それを届けられるなんて、本当に幸せなこと。これだけいい仕事に就いたのだから、それは恩返ししないといけないなと思います。観客の皆さん、スタッフ、キャストと幸せや喜びをシェアすることが、僕ら役者にとって一生のテーマになるのではないかなと思っています。やっぱり役者というのは皆さんに支えられて成り立っているもので、作品を観て喜んでくださる皆さんの姿が僕にとっても原動力になります」と充実感をにじませ、10代の頃は「自分がどうしたいか」だったものが、「誰かのために」と役者業に向かう意識が変わってきたと話す。
『3年B組金八先生』で出会った仲間も同じように年齢を重ねてきたが、彼らには特別な絆を感じているという。「当時は今ほどルールも厳しくなかったので、みんなで23時過ぎまで撮影をしたりしていて。ライバルというわけではないけれど、最初は『どうなんだ』と様子を探っていたものが、みんな15、16歳くらいですから、あっという間に仲良くなりました。赤坂のTBSのGスタジオという、ベストテンなども収録しているスタジオでやっていましたが、撮影の合間には、赤坂界隈でみんなとインベーダーゲームをやったりして(笑)。学校もバラバラだったので『僕の学校はこうだ』なんて情報交換もできて、ものすごく楽しかった」と懐かしみ、「みんながビリーのように夢を持ってお芝居を始めて、あの番組で芸能界の入り口に立って。そのまま役者を続けた人もいれば、就職をして、それぞれ結婚をしたり、子どもを持ったり、今や孫がいる人までいる。出会いって面白いものだなと改めて思います」としみじみ。
きちんと幹事がいて今でも同窓会をやるほど仲良くしていると目を細めながら、「みんなもそうだけれど、とりあえず健康維持をしっかりしないとね。僕も、目指すは元気なジジイ。舞台に立っている先輩でも元気なジイさんがいっぱいいるので(笑)。そういう方々を見ていると、まだまだこの先も頑張れそうだなと思っています」とますます奮起していた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
Daiwa House presentsミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』は、東京・東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて7月27日~8月1日(オープニング公演)、8月2日~10月26日(本公演)、大阪・SkyシアターMBSにて11月9日~24日上演。