小川菜摘、家庭&育児優先で封印していた舞台 復帰から12年「ここからが第2のステージ」
――ここ数年、年に3~4作ご出演と舞台に精力的に臨まれています。
小川:ずっとやりたかったんでね~。結婚して、彼が東京進出してきたタイミングでもあり、私が舞台を続けていたら家庭が回らないのは当然分かっていましたし。子どもも生まれて、子育てもきっちりやりたかったので、舞台のお仕事だけはお休みしようと封印していたので、50になってやっとできた!っていうので、嬉しいし楽しいんです。
――復帰してみていかがでしたか?
小川:落ち込みましたね~。渡辺いっけいさんにお声をかけていただき、「やってもええんちゃう?」と主人にも言われて、50歳の俳優10人で旗揚げした「500歳の会」という劇団の作品で復帰したんです。でも、本読みの時に、こんな演劇界の怪物みたいな人たちと一緒にできない!と愕然となりました。お稽古が始まってからも足を引っ張るかもと戸惑っていた私に、「ブランクあるのは分かっているから楽しんでやればいいんだよ」「俺たちがなんとでもフォローできるから」と皆さん言ってくれたことで、肩の力が抜けて本番に挑むことができました。あの人たちと復帰していなかったら、もしかしたら舞台は諦めちゃっていたかもしれないですね。
――いろいろな作品を観劇されているインスタを拝見すると、本当に舞台がお好きなんだなと感じます。
小川:舞台を封印していた時は、演劇を見ることもしなかったんです。観ると自分がやりたくなっちゃうのが分かっていたんで。どんな劇団があってどんな演出家さんがいるというその間の情報がごそっと抜けているので勉強しなきゃっていう思いもありますし、なるべく観劇に出かけてインプットするようにしています。
舞台は、お客様が一喜一憂しているところを生で感じられるところが魅力。セリフを覚えることがすごくつらくて、このシーンどうしようっていろいろ考えてお稽古するのはつらいんですけど、カーテンコールでお客様が笑顔で拍手してくださっている姿を見ると、どんなつらさも全部とんじゃう。あの一瞬を味わいたいがために頑張れるんだなって思います。あと、私は共演者の方やスタッフさんと1から作っていくっていう過程が大好きなんです。本番も楽しいですが、私はお稽古場が大好きなんですよね。