前田佳織里、アニメ『2.5次元の誘惑』のアフレコは「自分が持っている引き出しをぜんぶ出すくらいの気持ちで臨んだ」
――アフレコは他の方々と一緒に収録できましたか?
前田:はい、基本的にメインキャストは集まって収録ができました。本作はシリアスとギャグのギャップがある作品だと思っているのですが、ギャグシーンではキャストのみなさんのノリがすごくいいんですよ。みなさんの勢いに引っ張られながら私も「ここまでやったらダメって言われるかな」というギリギリのラインを攻めて思い切り演じました(笑)。
――序盤の映像を拝見しましたが、正宗を演じる榎木淳弥さんの芝居の勢いに圧倒されました。
前田:すごいですよね! 榎木さんは「これでもか!」というくらいの勢いで「ドンッ!」と演じられるんです。私もそれに応えないといけないと思いながら必死でかけ合いをしていました。好きという気持ちに全力な人の言葉や行動って、感動するじゃないですか。榎木さんのお芝居からは、その気持ちが伝わってきたんです。声優として感銘を受けましたし、現場で榎木さんのお芝居を聞いていて涙を流す瞬間もありました。
――かけ合いによって多くを学べたし、生み出せた芝居がある。
前田:おっしゃる通りです。かけ合わないと出せないお芝居ばかりだったんじゃないかな。ときには魂でとにかく叫ぶしかないという瞬間もあったんですよ。毎回、自分が持っている引き出しをぜんぶ出すくらいの気持ちでアフレコに臨んでいました。
――魂と魂がぶつかり合う現場だった。
前田:ですね!
――本作では橘美花莉役・鬼頭明里さんとのかけ合いも多かったのではと思います。
前田:本作が決まる前にあかりん(鬼頭明里さんの愛称)と焼き肉屋さんに行ったんです。そのとき私は「あかりんと一緒にレギュラーがやりたいです」って、まっすぐに目を見つめて伝えました(笑)。あれから一緒に作品に出る機会が増えて、『にごリリ』(『2.5次元の誘惑』)も決まって、本当に嬉しかったんです! ノノア(乃愛)役の鈴代紗弓ちゃんとも「私たち、ソウルメイトだよね」と言い合う仲でして(笑)。考え方とかが似ているんですよね。
――そうなんですね!
前田:実はデビュー時期が一緒の同期なんです。前に「いつか一緒に作品、出ようね」って話もしていたんですよ。エモくないですか?
――エモいです……!
前田:本作では一緒の時期くらいに業界に入ったメンバーがたくさんいるんです。尊敬する役者の方々と一緒にこの作品に関われて、リリサを演じられて本当に幸せですね。