クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

中盤まで世界観ふせた『全領域異常解決室』、異例構成に悩むP 脚本家・黒岩勉は「焦るな」

ドラマ

関連 :

藤原竜也

広瀬アリス

黒岩勉

■「僕も神です」セリフは必然 説得力が伴ったのは藤原竜也だからこそ

――それにしても「僕も神です」はしびれました。すごいセリフです。

黒岩:これを言わせてやろうみたいなのはなくて、必要なセリフだっただけですが、ただ、今回、藤原さんじゃないと成立しない企画ではありました。必然でありつつ、なかなかハードルの高いセリフですからね。神様だと言われても「えー!」とはならない助走を5話までにつけたつもりです。とはいえ演じる人に説得力がないと成立しない世界観。だから藤原さんに決まったときは「いける」と初めて思えましたし、すごく嬉しかったですね。この構成で引っ張れると思えたのも、藤原さんだったからです。

『全領域異常解決室』第6話より (C)フジテレビ
――かなり話題になりました。

黒岩:実は僕のイメージだと、もう少しコメディになる可能性もあるかなと思っていたんです。「僕も神です」と言った後の小夢(広瀬アリス)のリアクションも含めて、くすっと笑えるところになるかもしれないと。それが「ああそうですね」というものすごい説得力だった。こちらが想像した以上の感じに仕上がって来るのは、ドラマならではです。

――あらためて、藤原さん演じる興玉雅のキャラクターに求めていたことを教えてください。

黒岩:まず捉えどころがない。神様ですからね(笑)。特に興玉は捉えどころがなくて、すごく風流で余裕があるんだけど、つかみどころがない。同時になにか深いところを考えているんじゃないかという…すごく難しいことをお願いしました。でもそれをやれちゃうのがすごいですよね。

大野P:藤原さんには唯一無二の存在感と説得力があります。セリフに曖昧さも残しつつも、そのキャラクターが存在していることに説得力を持たせてくださる。過去にもみなさんの心に残る名シーンや名場面を数々作ってきていらっしゃいますが、藤原さんなら、今回もそれらをさらに覆すような面白いシーンを作ってくださるだろうと思いました。

――広瀬さんとの化学反応も素晴らしいです。

『全領域異常解決室』第7話より (C)フジテレビ
大野P:広瀬さん演じる雨野小夢は、視聴者目線のキャラクターとして登場します。藤原さん演じる興玉雅という、不思議でみやびやかな人間と接触していくわけですが、興玉が群を抜いて変わった存在であるからこそ、視聴者に近いリアクションを自然に演じられる方が必要でした。加えて、後半には実は天宇受売命であり、室長だったことが分かってくる。広瀬さんは、自然体の演技はもちろん、演じ分けの器用さがすごくある方だと思います。

黒岩:小夢は途中から確変というか覚醒するんですよね。自分の持っているものや、自分の大事さ、周囲の大事さといったもの、そして世界の構造の違いに気づいていく。全く違う人間になっていくんです。しかも最後は神に戻れるのか人間になるのかというところも含めて、最初から出来上がっている神様キャラクター(興玉)と、変わっていく人(小夢)が組むのが面白いと思いました。

次ページ

■第1話撮影時点では、7話のエピソードゼロの脚本はキャストにわたっていなかった

2ページ(全3ページ中)

この記事の写真を見る

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る