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中盤まで世界観ふせた『全領域異常解決室』、異例構成に悩むP 脚本家・黒岩勉は「焦るな」

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異例展開が話題のドラマ『全領域異常解決室』(第9話場面写真)
異例展開が話題のドラマ『全領域異常解決室』(第9話場面写真)(C)フジテレビ

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 藤原竜也主演で放送前から期待値の高かった『全領域異常解決室』(フジテレビ系/毎週水曜22時)が、9話&最終回の残り2話を残すのみとなった。5話での驚愕展開、7話にエピソードゼロを持ってくるという異例の構成も話題だが、脚本を手掛けたのは、ドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』『マイファミリー』、映画「キングダム」シリーズ、「ゴールデンカムイ」シリーズなどの人気脚本家・黒岩勉。「この物語は7話から始まります」という黒岩氏のコメント通り、終盤に来て物語はさらに加速。今夜の9話放送を前に、黒岩氏と大野公紀プロデューサーに話を聞いた。

【写真】改めて1話から振り返るとエモい! 『全領域異常解決室』フォトギャラリー

■5話まで本当の世界観を見せない異例展開 大野P「ギリギリまで悩みました」

――“不可解な異常事件”に、藤原竜也さん演じる超常現象のスペシャリストたちが挑む物語としてスタートした本作ですが、当初は超常現象に見えて、科学的に解決できる一話完結の事件モノの流れでした。それが、爆破事件が起きた第5話から驚きの展開を見せました。視聴者の熱もどんどん帯びていきましたが、5話での展開は正直、かなりスロースタートです。

黒岩:はじめから世界観を明かしたうえでドラマをスタートさせようという考え方もありました。ただ最初はより多くの方に見てもらえる形にしておいたほうがいいんじゃないかと。その上で、狭く深い世界に持っていこうと。4話までなんとなくどこかおかしいなと思いながら来た5話目で、世界を反転させる。いきなり1話でやるよりは、そこまで付いてきてくれた人たちなら、その後も同じ列車に最後まで乗ってくれる可能性が高いだろうと思ったんです。

『全領域異常解決室』第5話より (C)フジテレビ
大野P:打ち出し方については、ギリギリまで悩みました。ファンタジーを地上波のドラマで描くとなると、視聴者の方がどこまで離れずにいてくださるかなと思った部分もあったので。黒岩さんもおっしゃる通り、ある種の事件解決モノとしてまずは楽しんでいただいた先に、ゲームチェンジがあって、こんな奥行きがあるんだ!と知っていただく後半にしていこうと。「異常解決のミステリーです」というのを1枚めくると、日本の神話の話になるというところを、早くお客さんに届けたいという思いは1話からずっとありました。

黒岩:焦ってましたね。

大野P:焦ってました(苦笑)。

黒岩:僕は「焦るな」と言ってたんですけどね(笑)。

大野P:興玉(藤原竜也)の「僕も神です」は、台本上では5話では言っていないんです。5話で爆破事件があって、千里眼の能力者がいて…という流れの中、次回予告の15秒だけでもそれをお伝えすることで、後半の世界観が垣間見えるし、見てくださる方にも楽しんでいただけるだろうと。黒岩さんの脚本は、次週に対するどんでん返しや引っ張りがいっぱいあるんです。その中で、予告としてももう1枚のせたほうが、見てくださる方に楽しんでいただけるんじゃないかなと。とにかく楽しんでいただきたい思いで、「(第6話の)僕も神です」を予告に入れました。

『全領域異常解決室』第5話より (C)フジテレビ
――黒岩さんとしては「見せちゃったんだ」といった思いは。

黒岩:大野さんたちは、早め早めにこの世界観の広さを匂わせたいと言ってました。予告編に関しては僕としてはお任せするしかありませんが、みなさんの反応を見ていると、よかったんだなと。

――FODで1話先行配信をしたり、Netflixでも放送済みの回を追うことができます。全体の展開を考えていくうえで、配信の存在も大きいですか。

黒岩:10年前ではこうした仕組みは難しかったかもしれませんね。今回は5話まで付いてきてくれた人に、5、6、7話とすごく深いところまで刺さっていく仕組みにしようと決めました。

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■「僕も神です」セリフは必然 説得力が伴ったのは藤原竜也だからこそ

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