木戸大聖、28歳で掴んだブレイク 困難を乗り越えた20代→挑戦を続ける30代へ
2017年に芸能活動を開始した木戸は、25歳の時に出演したNetflixドラマ『First Love 初恋』で佐藤健の若き日を演じて、鮮烈なインパクトを残した。月9ドラマ『海のはじまり』では目黒蓮演じる主人公の弟役、劇場アニメ『きみの色』では声優に初挑戦するなど、次々と話題作への出演を重ね、若手注目株の筆頭となった。本作の撮影は今から2年ほど前のことだというが、活躍の場を広げているタイミングで映画が公開されることに、「運命だなと思っていて。これまでのイメージとは全く違う役柄で、新しい一面を見せられると思うととてもうれしいです」としみじみ。
現在28歳となった彼がブレイクを果たすまでには、困難な道のりもあったそう。20代で手にした武器について「挫折があるからこそ、今の自分がある」と力強く語った木戸。「10代でお芝居を始めてもなかなかうまくいかず、現場に立つこともできずに『悔しい』『もっとやってやる』と思っていた時期もあります。『セリフがないけれど、頑張ってお芝居を続けてみよう』『いずれあそこに立ちたい』と思ったり…。でもそういった時間があったからこそ、“当たって砕けろ精神”が身についたというか。とにかくぶつかって、壊れて、また再生してということを繰り返していくうちに、無意識に強くなっていった気がします。そのようにして続けてきたことで、本作にも出会えたし、広瀬さん、岡田さんにお芝居でぶつかることもできた」。
木戸大聖
子ども番組『おとうさんといっしょ』のレギュラーや、『日立 世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターなど役者以外の経験も、「一つ一つ着実にやっていくと、必ず何かに繋がっていくものだなと感じています」と全てが宝物だ。「僕はストレートな役者ロードを歩んできたわけではないですが、いろいろなジャンルのお仕事をさせていただいたからこそ、今の僕がいる。同世代の役者さんがやってきていない経験をさせてもらったことこそ、僕の強みであり、自慢です」と大きな笑顔に。
30代への抱負を聞いてみると、「変わらずに、当たって砕けていくことにビビりたくないなと。経験値が積み重なっていくと、居心地の良い場所ができやすくなるもの。でもそこに落ち着かず、ちゃんと枠をはみ出して、挑戦を続けていきたいなと思っています」と清々しく宣言した彼。温かな笑顔の裏側には、こちらまでワクワクするような情熱を秘めていた。
(取材・文:成田おり枝 写真:上野留加)
『ゆきてかへらぬ』は2月21日から全国公開。