香川照之、“1人6役”を怪演し「役者業の醍醐味」実感 “圧倒的な演じ分け”の秘話も明かす
香川照之
本作で役者業の醍醐味を感じた瞬間について聞いてみると、香川は「撮影はほぼ順撮り(台本の冒頭から順を追って撮影を進める方法)で進み、毎回新鮮に臨むことができました」と述懐。
「短期間の中で、いろいろな役をできるというのはとても面白いことでした。カツラをかぶったり、違う衣装を着たり、違う話し方をしたりと、これは役者業の醍醐味だなと。周りのスタッフも『昨日まで演じていた人と、まったく違いますね』とあらゆる“ある男”になった僕の姿を見て、毎回喜んでくれたりして。そういった反応もうれしく、衣装やメイクの皆さんもいろいろと考えてくださってとても感謝しています」と目尻を下げる。
また全6話の中で“男”と対峙することになる役者たちと過ごした時間も、充実感にあふれるものだった様子。香川は「皆さんが現場に持ってきてくださったお芝居は、とても上質なものでした。皆さんがこの作品に必要な空気感や間をわかってくださっていて、静寂すらも楽しんでくださった。10代の中島セナさんも、すばらしいものを持ち込んでくださった」としみじみ。
中島セナ 『連続ドラマW 災』第1話 場面カット (C)WOWOW
さらに「WOWOWさんの作品では、あまり時間尺を気にせずに表現に挑めるというよさもあります。尺が決まっていると、どうしても『もう少しセリフを速く言ってください』『この尺に収めてください』というオーダーも出てきます。『どれだけ時間をかけてもいい』という環境の中で芝居ができるというのは、とてもありがたいことでした。今回は、役者同士がゆったりと無言の時間を使うこともできました。理想的な“間”を突き詰められたことも、非常にうれしかったです」と幸福感を口にしていた。