生駒里奈、20代は「30歳以降に花開くための準備期間」 “一番安心できる場所”の舞台に注ぐ真摯な思い
――前回の舞台『家政夫のミタゾノ』は歌やダンスも盛り込まれた内容でしたが、今回は?
生駒:……ダンスはいいんですが、歌はすごく不安です。グループでも“歌要員”ではなかったので。普通卒業する時はソロ曲をいただくじゃないですか。それを断った人間ですよ(笑)。それくらい苦手意識があるので…。今回はどうなるんでしょうね?
――今回の作品に臨むにあたって、楽しみにしていることはありますか?
生駒:松岡さんをはじめ、みなさん名俳優さんばかりなので、吸収できる部分が多いんだろうなと思っていて。みなさんの演じている様子を見て、言葉の出し方などどういうふうにやっているのか、隅々まで研究していきたいなっていう気持ちでいっぱいです。
あとは、今回はいろいろな地域にお邪魔するので、たくさんの方に生のミタゾノを観ていただくことも楽しみですし、個人的にはその地域の神社めぐりをしてみたいなと思っています。今年は巳年なので、ヘビを祀っている神社を調べてみようかなと。
――生駒さんは、近年舞台へ精力的に出演されていますが、生駒さんにとって「舞台」とはどんな存在ですか?
生駒:一番安心できる場所です。私はアイドル活動が長かったので、自分の中で納得しないまま出なきゃいけない瞬間も多かったんです。でも舞台って最低限一ヵ月稽古があって。初日までにちゃんと自分の中で納得させて、練習して、舞台に上がれるという保証がある。仕事としてちゃんとお客様に面白いものを届けることができるっていうのが自分の中で明確に見えやすいのが舞台なんです。時間がないから、いろんな制約があるから、って妥協して作ってそれが面白いというよりも、自分が納得してここまで作ったんだっていう保証があるのが、自分の性格的にも舞台が一番わかりやすいですし、一番性格に合っているのが舞台の作り方なんだと思います。
――舞台がご自身に合っていると気付かれたのは?
生駒:乃木坂46を卒業するきっかけの1つが舞台でもあったので、20歳くらいですかね。「あぁ、私はちゃんと練習したらできるんだな」「できない印象のほうが自分の中で大きかったけど、もうちょっといつもより時間をかけて突き詰めて練習すれば、なんだ、できるんじゃん! それができなかっただけなんだ」というのがわかってちょっと安心したんですよね。少年社中さんの舞台だったのですが、そのおかげで今の人生があるので、舞台は特別ですね。毎日のお客様からの反応や拍手が唯一の安心できる瞬間なので、やる気につながります。
――生駒さんの舞台への熱い思いが伝わってきます。
生駒:衣食住は生きるために必要だけれど、舞台にしろドラマにしろエンターテイメントはあくまでも娯楽じゃないですか。なのに、わざわざお金を払ってくださるのだから、その価値を作らなきゃっていうのが自分の中のモットーです。