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阿部寛、「緊張される」年齢になった 「いろんな年代の役をやってみたい」意欲も

映画

■孤高の天才・野原は「自分でも捉えきれてはいない」

 阿部が演じた元天才ハッカーの野原は、言葉少なで謎多き人物。「自分でもこのキャラクターを完全には捉えられていない。でも、それでいいと思った」と語る。野原を演じるにあたり、20年ほど前にテレビの特集で見た天才数学者をイメージしたと明かす。「1週間誰にも会わず、食事もせずに難問を解き、その後失踪してしまう。その繊細さや異質さが印象に残っていて。だから、日本語セリフが少なかったのはむしろ好都合だった。言葉で表す人物ではない部分を表現したかった」と振り返る。

映画『キャンドルスティック』場面写真 (C)2025CANDLESTICK PARTNERS
 過去に一度裏切られ、服役した野原の複雑な心境にも触れる。「天才としてその世界のトップにいながら、騙されたという自責の念があり、単なる復讐者ではない。それは他者というより自分への復讐。その感情や悲しみが、彼の後ろ姿に出ていたと思う」。

 沈黙の中に葛藤を秘める野原。言葉よりも深く観る者に何かを投げかけてくる、そんな野原を体現した阿部だが、「僕とは全然ちがう(笑)。僕は裏切られたら感情が出てしまうから。こんな風に冷静で、ミステリアスにはなれない」と笑った。


 作中、英語のセリフにも挑戦した。本作とは別の作品でたまたま準備していた英語力も役立ったそうだ。「今回の作品ではアメリカ育ちの日本人で俳優経験もある方が現場についてくれて、日本人の癖を把握し、僕の特徴に合わせて調整してくれたのがとても助かった」と述べ、英語で演技をすることについては「小さい頃から観ている海外作品の身振り手振りなんかを、自分で表現できるのが楽しい。でも正解かどうかはわかんないけど(笑)」とおどけた。

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■「緊張される」年齢になった

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