今井竜太郎、『仮面ライダーゼッツ』で歴史を背負う覚悟!「Wになりたかった」幼少期の夢を叶えた熱い思い
放送は1年にわたる長丁場。この作品を通じて、役者として、一人の人間として、彼はどんな未来予想図を描いているのだろうか。その答えは、彼の真っ直ぐな向上心を映し出していた。
「僕自身の役者としてのゴールは、仮面ライダーという作品ではありません。この作品で生かされた経験や培った技術を生かしながら、これからの役者人生で自分自身をどんどん成長させられるような1年にできたらいいなと、いつも思っています」。
その視線は、国内だけでなく世界にも向けられている。『仮面ライダーゼッツ』は、全世界へほぼ同時に配信される。劇中には英語のセリフもあり、今井にとっては新たな挑戦の連続だ。
「英語は得意というわけではなくて……(笑)。日本語のセリフでさえ難しいのに、英語で感情を乗せるのはさらに難しいです。毎回、発音のお手本を送ってもらって必死に練習しています。海外の方にも見ていただいて、『あ、頑張っているじゃん』と思ってもらえるような英語を話せたらいいなと思っています。日本が誇るこの歴史あるシリーズを、さらに海外の方にも愛してもらえるように、『ゼッツ』がその始まりの一歩になれたら嬉しいです」。
今井竜太郎
ゼッツと深い関係を築くキャラクターを演じるベテラン声優陣からの期待も大きい。ゼッツに指令を与えるゼロの声を担当するのは川平慈英だ。彼からも「頑張ってね」「体調を崩さないように」と温かいエールを送られた。アフレコ現場では、その卓越した技術を目の当たりにし、大きな刺激を受けたという。
「アフレコを間近で勉強させていただいたのですが、すごかったです。ご自分でアドリブを入れて、それが採用されていて。ああ、こういうふうに作品って作られていくんだ、と感動しました。いただいたビデオメッセージの最後のセリフも、本当にカッコよくて、司令官だなと思いました」。
一方、ねむ役の堀口真帆、妹・美浪役の八木美樹ら同世代の共演者たちとは、年齢を気にすることなく切磋琢磨する日々を送る。その中心に立つ主演として、彼は「座長」という立場をどう捉えているのだろうか。
「現場では、みんなが『いい作品を』という同じ思いの中で、お互いの芝居や役について話し合っているので、本当にいい環境です。僕も、先輩俳優の方々の背中を見て学んだことを、年下の子たちとの芝居で生かせているか、常に意識しています。お芝居で現場を引っ張っていけるようになりたいです。僕自身、たくさん喋るタイプではないので、『頑張るぞ!』と声で鼓舞するよりは、姿勢で見せる方が自分らしいのかなと思っています」。
■満足なき挑戦は、まだ始まったばかり
いよいよ放送がスタートした『仮面ライダーゼッツ』。第1話を見終えたファンに、改めて見どころを尋ねた。
「1話は、やはり冒頭のアクションシーンです。本当に頑張って撮影したところなので、かっこいいなと思ってもらえたら嬉しいです。それから、初めての変身シーン。ゼッツがどう始まったのかという、本当に大事なシーンなので、ぜひ注目していただきたいです」。
そんな渾身の第1話の出来栄えを、自己採点するなら? と直球の質問に、彼は少し考えた後、力強く答えた。
「でも、少し時間が経ってから見返すと、『あ、もうちょっとここをこうできたな』という反省点も生まれてくるんです。だからこそ、自分の中でも少しずつ成長できているのかな、と撮影を通じて感じています。満足はしないように、初心を忘れずに頑張っていきたいです」。
今井竜太郎
幼い頃、今井の夢は「仮面ライダーWになること」だった。クリスマスには変身ベルトをお願いするほど、その存在に憧れた。時を経て、今度は自身が子供たちの夢を背負う存在となった。彼の熱い魂が、新時代のヒーロー『仮面ライダーゼッツ』を、そして役者・今井竜太郎を、どこまでも高く飛翔させていくことに期待したい。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)
『仮面ライダーゼッツ』は、テレビ朝日系にて毎週日曜9時放送。