岩橋玄樹、長い休養期間を経て気づいた大きな支え “ファンと涙したライブ”が自分を作る原点に
英語の勉強方法について尋ねてみると、岩橋は「僕はヒップホップカルチャーやラップ、アメリカの映画も大好きで。そういった、自分の好きなカルチャーにフォーカスしながら学ぶことが大切だったと思います」と吐露。
「いろんな思いを持ってアメリカに行き、さまざまな刺激やカルチャーショックを受けて今に至ります。アメリカに行った時は、英語だけで生活をする。日本語をなるべく話さないということを心がけています。会話の中で分からないことがあっても、ノリとテンションで突き進む!」と上達するために欠かせなかったのは、どっぷりその環境に浸かることだった様子。
日本とアメリカを行き来する二拠点生活を始めたことで、「度胸がついた」とも。「1人でドライブをするのも大好きで。住んでいるロサンゼルスから車を南に走らせて、メキシコとのボーダーラインまで行ってタコスを食べて帰ってきたり。そういう冒険を楽しんでいます。日本では、1人でご飯屋さんにも行けないくらいだったのに」と自身の変化を楽しんでいる。
ソロ初コンサートを開催した際には、ファンの支えを強く実感したという。「この世界からいなくなろうと思った時、ファンの方々の存在の大きさを感じました。2021年の12月に中野サンプラザでライブをさせていただいたのですが、休養期間も長く、久々にファンの前で歌った1曲は忘れられません。みんなが『キャー!』という感じではなく、泣きながらオープニングを迎えて。そういった経験は僕も初めてでした。それから4年、こうして芸能生活を送ることができているので、ずっと感謝をしないといけないなと思っています」と心を込め、その出来事は今の自分を作る“原点”になったと話す。
さらに、「いろいろなアイドルグループやアーティストの方がいて、それぞれいろいろなファンとの関係性があると思いますが、僕と僕のファンの関係性は、世界一ステキな関係性。ライブをやるたびに、そう感じます」と胸を張った。「今回のように映画に出たり、テレビに出たり、ステージをやり続ける。そういった姿勢を、これからもファンの皆さんに示していきたいです」と真っ直ぐな瞳で未来を見つめる。
今年は本作でスクリーンデビューを成し遂げただけではなく、7年ぶりの地上派ドラマ主演となる『恋愛ルビの正しいふりかた』(TOKYO MX)で不器用な恋を体現するなど、俳優業にも精力的に打ち込んでいる。
「『男神』の裕斗役のように新しい一面を見せられることも、俳優業の醍醐味」と切り出した岩橋は、「ソロとして活動をしていると、1人で解決したりしなければいけないことも多い。でも映画やドラマの撮影現場では、誰かが一緒にいてくれるという安心感があります。それは懐かしい感じもしますし、とても心強いです」と、みんなで一致団結しながら作品を完成させていくという過程も大好きなのだとか。続けて、「僕、クリストファー・ノーラン監督が大好きで。『インターステラー』は、人生を変えられたと感じている作品です。好きなセリフをタトゥーに入れるくらい大好き。2億回は見ているかも! …嘘ですけど」と茶目っ気たっぷりに笑いながら、「いつか彼の作品に出てみたい。それが僕の1番の大きな夢です。もし出られなくても、現場に行ってみたい。聖地巡礼したい」と俳優としての夢も限りない。
柔らかな笑顔も魅力的な岩橋にとって、「笑顔を忘れないこと」もモットーにしていることだ。「これからも、感謝と笑顔を忘れずに。そして生まれ育った日本が、自分のベースにあるということを忘れずに。日本のよさを広めていくということをモットーに世界に向けてチャレンジしていきたいです」と力強く語っていた。
(取材・文=成田おり枝 写真=上野留加)
映画『男神』は9月19日より全国公開。