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松坂慶子、話題作への出演続く変わらぬ魅力 原動力は「面白いと思うことにチャレンジすること」

ドラマ

◆面白いことにチャレンジするのが仕事の原動力



――先日まで放送されていた『ひとりでしにたい』で演じられたヒップホップ好きな雅子さんも話題となりました。綾瀬はるかさんとのラップバトルも最高でした。

松坂:たくさん練習しました(笑)。私はのんびりしてますし、ラップも裏打ちとかそういうのが分からなかったんですね。ずいぶん教わって、結果雅子さんなりのラップに落ち着いて、みなさんに喜んでいただけてよかったなって思います。

――『シバのおきて』『ひとりでしにたい』もそうですが、『阿修羅のごとく』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『らんまん』『舞妓さんちのまかないさん』と話題作への出演が続きます。これだけ長いキャリアを誇る松坂さんが、今も第一線で活躍し続けることができる理由はどんなところにあるのでしょうか?

松坂:私の場合は15くらいから仕事をやっていて、映画に育ててもらって、NHKやテレビに育ててもらってここまで来たという感じなんですね。なんで続けられたのかっていったら、ものを作りたいっていう現場の静かな情熱というか、そこに一緒に参加して仕事するっていうことがすごく楽しいんです。いい現場でいい方たちと仕事をさせてきていただいたからずっと続いているんだと思います。

――デビューから58年、これまでさまざまな作品で印象的な役を演じてこられましたが、ターニングポイントになった作品を挙げるとすると、どの出会いになりますか?

松坂:そうですねぇ……。NHKで銀河テレビ小説というものがあって、石坂洋次郎先生の小説をドラマ化した『若い人』という作品に19歳くらいのころに出させていただいたんですね。それまで子ども向けの作品が多かったのが、初めての文芸作品で、江波恵子という重要な役をやらせていただいたのがターニングポイントだったかしらね。その後も、大河ドラマ『国盗り物語』に抜擢していただいたり……。大きな役をいただいて、のるかそるか、できるか失敗するかっていう状況に立たされた時に、なんとかやり遂げることができたっていうのが大きかったですね。

ほかにも野村芳太郎監督の『事件』、山田洋次監督の『男はつらいよ』、つかこうへいさんが原作の『蒲田行進曲』もそうですね。今までやったことのないものに出会って、なんとか乗り切ったことがターニングポイントになってますよね。『死の棘』もそうですし。

最近で言うと、『一橋桐子の犯罪日記』は楽しかったですね。由紀さおりさんも素敵で一緒にお仕事するのがとても楽しかったです。『らんまん』や『まんぷく』、『篤姫』も、「え!これを私が!?」っていうような役でしたけど、「強い人がやると強くなりすぎるので、あなたくらいの人が強くやるのがちょうどいいんですよ」って言われちゃったものですから(笑)。そうやってこれに懸けてみようと思ってくださったのがうれしかったですね。音楽では『愛の水中花』もそうですね。これだけ長くやっているとターニングポイントもいっぱいあるわね(笑)。

――好奇心が旺盛なところも、魅力につながってるんですね。

松坂:やろうかな、やめようかな、って迷った時はやろうということにしているんです。面白がりなんですよね。面白いと思うことにチャレンジすることが仕事の原動力なのかもしれないですね。


――松坂さんといえば、チャーミングさと色気の両方を感じる美しさが魅力的ですが、その輝きの秘訣はどんなことなのでしょうか?

松坂:もうちょっと心がけたらいいんじゃないかっていつも自分に思うんですけど、きっと仕事をし続けてるからですよね。仕事に入るとね、一番いい状態の自分にしていこうと思いますから。

――松坂さんにとってお仕事とはどんな存在ですか?

松坂:私が台本を手にするまでの、この作品が練り上げられる長い過程に思いを馳せると、心して演じなくてはと緊張します。

でも、子どもが砂場でお砂遊びするのを見ると、お城を作っては壊し、山を作っては壊しって飽きることなくやっているでしょう。そんな砂場で遊んでるみたいに楽しんで仕事ができたらいいなって思うんです。

――今後チャレンジしてみたい役どころはどんなものでしょうか?

松坂:人生100年って言われていますね。チェン・カイコー監督の日中合作映画『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』で、秦怡さんという女優さんが楊貴妃の侍女の役を94歳で演じてらっしゃるのがすごく素敵で憧れました。俳優って人を演じる仕事だから、自然に年を重ねてその年ならではのよさや面白さが演じられる人であり、女優になれたらいいなと思います。

今回のドラマのおかげで、シバ犬ちゃんのマッサージという特技(笑)が増えました。友達のワンちゃんにも喜ばれています。これからどんな出会いがあるのか楽しみに、シバ犬ちゃんのように歩いて行きます!

(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)

 ドラマ10『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』は、NHK総合にて9月30日より毎週火曜22時放送。

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