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モグライダー芝大輔が思う“芸人の役割”「元気を持っていかれる感覚になるのは、ある意味正しい」

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■芝が考える“芸能人の役割”「人々に元気玉を渡すこと」

――ハイタッチで持っていかれる感覚。なんとなく想像はできる気がします。

芝:芸能人を見て、「元気出ました」とかって声を聞くことがありましたけど、昔はいまいちピンと来てなかったんです。歌手の人は歌を歌って、役者さんはお芝居をやって、芸人は漫才なんかで笑ってもらったりする。そうしたものを見てみなさん「元気をもらいました」って。元気をもらうって? と思ってたんですけど。そうか、ある意味、みなさん元気玉みたいなものを受け取っていて、こちらは渡しているのか、と。

――見ている人たちに、あくまで幸せなエネルギーとしての元気玉を渡していると。

芝:アンパンマンじゃないけど、自分をちぎって分けてるんだなと。ハイタッチなんて、直に渡しているわけですからね。こっちが元気を持っていかれる感覚になるのは、ある意味、正しいんだなと。

――たしかに、疲れるのは正しいですね。

芝:それで喜んでもらえるんだったら。もちろん芸を披露するというのが最低限やることですけど、でもどちらかというと、人に元気玉を与えるというのが僕らの役割なのかなって。芸能界にはすごいエネルギーの人が多くて、「そんなんで持つの?」とか思ってたんです。でもそれって、大量に渡すものがあるってことなんですよね。


――本書でも、最初に「芸能人は体力オバケ」と書かれています。そこにも繋がりますね。

芝:そうなんですよ。結局、体力がないとダメだと思い始めたのも、そういうところなんです。

――私たちは受け取っている側なので、言うのは簡単なのですが。元気玉を渡せてナンボということなんですね。

芝:とはいえ、自分も40歳を超えて、たいして飯もたくさん食べるわけでもないんで、ガリガリにならないように気をつけます(笑)。

(取材・文:望月ふみ 写真:上野留加)

 モグライダー・芝大輔エッセイ『煙太郎』は、KADOKAWAより発売中。

3ページ(全3ページ中)

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