モグライダー芝大輔が思う“芸人の役割”「元気を持っていかれる感覚になるのは、ある意味正しい」

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『M‐1グランプリ』ファイナリストであり、個人としての芸歴は22年目を迎えたモグライダーの芝大輔。終了したばかりの櫻井翔主演のドラマ『放送局占拠』(日本テレビ系)など、近年では俳優としても活躍中だ。そんな芝が、これまでの軌跡や自身の考えをつづった初の書き下ろしエッセイ『煙太郎』を上梓した。そこで「芸人とは」と難しい質問を投げかけてみると、なるほど納得の答えが返ってきた。
【写真】屋外撮影で引き出されたシブい表情に注目 モグライダー芝、撮りおろしショット
■「優しい人が損をする時代」になった今
――かなりしっかりと、自分を見つめて考えをつづったエッセイです。怖さや気恥ずかしさはありませんでしたか?
芝大輔(以下「芝」):ありましたよ。全然、ありました。もっとワケわかんないことをしようと思えばできたと思うんですけど、まあ、芸風や立ち位置的にも、別に俺にそれを求めてもいないだろうと思いますし。でもどれだけの人が俺の話をまともに聞きたいかと言われたら、それも不安ではありました。だけどまずは、一度ちゃんと“俺はこういう人なんですよ”と、知ってもらわないとなと。その一歩目としての意味はあるかなと思って、あまりふざけずにやってみようと決めてやりました。
――自己紹介の意味で書いていくうちに、自分自身にも新たな発見はありましたか?
芝:“老害だな、コイツ”と思いました(笑)。いいと思って読んでくれる人がいると信じてますけど。
――世の風潮への考えということでは、コンプライアンスやSNSについても言及していますが、今は世間の“目”を気にして、コンプラがどんどん厳しくなっている気がします。
芝:コンプラとかは、テレビの場合は単純にスポンサーさんがね、ダメといえばそうなんでしょうけど。どう考えても気にしすぎじゃない? みたいなところまで行ってるのも事実ですよね。このネタだとこの人が傷つく“かも”しれません、とかね。SNSで炎上したとかっていっても、たかが知れてるし。
――コンプラ問題にSNSの発展は、結びついていると思いますか?
芝:じゃないですかね。無視するわけにはいかないし。優しい人が損する気がします。正直、芸人なんてめちゃくちゃギャラも安い。あんなに憧れて、やっとテレビに出られるようになった。なのに、実際出られるようになったら全然違う世になっていた。正直、みんなが苦しくなっちゃってますよね。妙なタイミングに当たったなあと思ったりはしますよ。一回、この流れは終わらせないとダメかもしれませんね。